不老不死は実現できるのか|寿命の限界と人の試験の現在地
不老不死は今の科学では実現しておらず、人で寿命を延ばすと確かめられた薬もない。言葉の歴史、老化しにくい生きもの、寿命の限界の論争、カロリー制限や老化細胞などの研究が動物と人でどこまで進んだかを、論文と公的資料で整理した。
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結論
不老不死は、今の科学では実現していない。記録に残る最長寿はフランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳164日で、人で寿命を延ばすと確かめられた薬もない。カロリー制限・ラパマイシン・老化細胞を除く薬・部分リプログラミングはマウスなどで寿命が長くなったと報告され、メトホルミンはマウスの結果が割れているが、人の試験はどれも寿命そのものを測っていない。ベニクラゲやヒドラのように老化の兆しが見えにくい生きものは報告されているものの、死なないと確かめられたわけではない。人の寿命に上限があるかは、2016年の論文から続く論争で、まだ決着していない。
この記事の基準日: 2026年11月6日。辞書(コトバンク)と『史記』の本文、厚生労働省の生命表と百歳以上の統計、PubMed に載る論文、ClinicalTrials.gov の試験の登録を読んで書いた。論文は NCBI の公式の窓口で要旨か公開された全文を開いて確かめ、開けなかった資料は使っていない。医師の監修は受けていません。
「不老不死」とはどういう意味か
デジタル大辞泉は不老不死を「いつまでも年をとらず、また、死なないこと」と説明している。精選版 日本国語大辞典は古い用例に『梁塵秘抄』(1179年頃)を挙げる。ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典は、人類に広くある願いだとしたうえで、霊魂の不滅を説いたキリスト教に対し、中国ではこの世での体の不死が問われたと書いている。
この語には二つの別の話が入っている。「不老」は年をとらないこと、「不死」は死なないことである。科学の話を読むときは、この二つを分けた方がよい。老化の兆しが見えにくい動物でも死ぬことはあり、反対に、寿命の上限が無いとする研究も「死なない」とは言っていない。この記事でも、老化を遅らせる話と、死なない話を分けて書く。
不老不死の願いは歴史にどう残っているか
寿命の限界を論じた2022年の論文は、約4,000年前の『ギルガメシュ叙事詩』から話を始めている。王ギルガメシュは友エンキドゥの死をきっかけに死を克服しようとし、賢者ウトナピシュティムから二つの道を示される。一週間眠らずにいることはできず、水の底の草は手に入れたものの蛇に奪われた。
中国では、秦の始皇帝と徐福の話が『史記』に残る。徐福は紀元前3世紀後半の人物とされ(デジタル版 日本人名大辞典+Plus)、『史記』の始皇帝の本紀では「徐巿」、淮南衡山列伝では「徐福」と書かれている。本文に書かれていることを短くまとめる。
| 『史記』の場所 | 書かれていること |
|---|---|
| 秦始皇本紀・始皇28年 | 斉の徐巿らが、海の中に蓬萊・方丈・瀛洲の三神山があり仙人が住むと上書した。始皇帝は童男童女数千人を出させ、仙人を探しに海へ送った |
| 同・始皇32年 | 韓終・侯公・石生に、仙人の不死の薬を探させた |
| 同・始皇35年 | 盧生が、居所を人に知らせなければ不死の薬が手に入るかもしれないと説いた。後に盧生らが逃げると始皇帝は怒り、徐巿らは巨万の費用を使いながら薬を得ていないと述べた |
| 同・始皇37年 | 徐巿らは数年探しても得られず、費用が多く罰を恐れて、大きな鮫に妨げられていると偽った。同じ年の7月、始皇帝は沙丘で亡くなった |
| 淮南衡山列伝 | 伍被の言葉の中に出てくる。徐福は海の大神に会ったと偽りを述べ、男女三千人と五穀の種と職人を与えられて海を渡り、広い平野を得て王となり、戻らなかった |
出典: 『史記』巻6 秦始皇本紀・巻118 淮南衡山列伝の本文(維基文庫で2026年11月6日に確認)。要約は当記事による。
この二つの巻の本文を検索すると、「日本」「倭」「熊野」の語は出てこない。徐福が日本に来たという話は、各地に残る伝説である(デジタル大辞泉)。和歌山県の資料は、始皇帝の命で不老不死の霊薬を求めて熊野に来たと伝えられていること、新宮駅前に墓と伝わる場所があること、探した薬はクスノキ科の天台烏薬だと考えられていることを紹介している。どれも伝承で、史実と確かめられた話ではない。
日本の古い話にも同じ願いが見える。田道間守(たじまもり)は、垂仁天皇の命で常世国(長生不死の国とされる)へ渡り、非時香菓(橘の実)を持ち帰ったとされる説話上の人物である(精選版 日本国語大辞典・日本大百科全書)。『竹取物語』の終わりでは、帝がかぐや姫から受け取った不死の薬と手紙を、天に近い駿河の山の頂で焼かせる(静岡県富士山世界遺産センターのコラム)。
不老不死は実現できるのか
実現していない。老いず死なない人は確かめられておらず、人で寿命を延ばすと確かめられた薬もない。2024年の総説は、今あるアンチエイジングの方法が人の老化を大きく遅らせる、あるいは寿命を延ばすという説得力のある証拠はまだ無いと書いている。
一方で、長生きする人が増えたのは事実である。今の数字を並べると、伸びた物と伸びていない物が見える。
| 何の数字か | 数字 | 読み方 |
|---|---|---|
| 日本の平均寿命 | 1947年 男50.06年・女53.96年/2025年 男81.35年・女87.33年 | 78年で男は約31年、女は約33年伸びた |
| 日本の百歳以上の人 | 107,677人(2026年9月1日現在。男13,379人・女94,298人) | 前年より7,914人多い |
| 生命表で100歳まで生きる人 | 10万人のうち 男1,770人・女7,212人(2025年) | 男は約1.8%、女は約7.2% |
| その年齢の人が1年のうちに亡くなる割合 | 30歳 男0.051%・女0.028%/60歳 男0.617%・女0.288%/90歳 男14.8%・女9.3%/100歳 男38.1%・女32.7% | 年齢とともに上がる形は今もある |
| 記録に残る最長寿 | 122歳164日(ジャンヌ・カルマンさん。1875年2月21日〜1997年8月4日) | 1997年以降、この記録を超えた人は確かめられていない |
出典: 厚生労働省「令和7年簡易生命表の概況」、同「令和8年度百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について」、ギネス世界記録の公式ページ(2026年11月6日に確認)。割合の計算は当記事による。
2024年の論文は、20世紀の高所得国で出生時の平均寿命が約30年伸びた主な理由は公衆衛生と医学の進歩だと書き、1990年以降は伸びが鈍っていると報告している。平均寿命が伸びることと、老化そのものが無くなることは別である。1990年の論文は、人の死亡率が約8年で2倍になると見積もった。
老化しにくい生きものは本当に死なないのか
死なないと確かめられた生きものはいない。ただ、年をとっても死亡率が上がらない、成熟した後で若い形に戻る、といった報告はある。2014年に46種の死亡率と繁殖の年齢パターンを比べた研究は、年齢とともに死亡率が上がる種だけでなく、一定の種や下がる種もあると報告した。代表的な生きものを表にまとめる。
| 生きもの | 報告されたこと | 読むときの注意 |
|---|---|---|
| ベニクラゲの仲間 | 成熟したクラゲが、群れで暮らす幼い形(ポリプ)へ戻る(1996年の論文は「潜在的な不死」と表現)。衰えたり傷ついたりしたクラゲが細胞の塊を経て戻る。最大14回繰り返した観察の報告がある | 繰り返しの実験で確かめられたのは2種。薬品・熱・針の傷で人工的にも起きる。自然の中でどのくらい繰り返すかは、当記事が読んだ範囲では確かめられなかった |
| ヒドラ | 12の群れ・2,256匹・延べ390万日以上の観察で、死亡率と繁殖率が年齢で変わらなかった | 死亡率は極めて低いが、0ではない。老化が無いとした1998年の研究には、無性生殖が減るのは老化の兆しではないかという2010年の指摘がある |
| ハダカデバネズミ | 3,000匹超の記録で、繁殖できるようになるまでの25倍の年齢でも死亡リスクが上がらなかった。2024年の続報はデータを倍にして同じ結論。最長は30年超(同じ大きさのマウスは最長4年) | どちらも Calico 社の資金で、著者は同社の社員である。2019年に別の研究者が「結論は早い」と批判した。動物園の群れでがんも2例報告された |
| ニシオンデンザメ | 28匹の雌の眼のレンズの年代測定で、寿命は少なくとも272年。最大の個体は392±120歳と推定された | 長生きを示す研究で、老化しないことを示したものではない |
| カメの仲間 | 動物園と水族館の記録から、52種の約75%で老化がゆるやかか、ほとんど見られなかった。約80%の種で老化の速さが今の人より遅い | 飼育の環境での結果で、自然の中の数字ではない |
| 大腸菌 | 同じ形の二つに分かれる細菌は老いないと考えられてきたが、古い側を受け継ぐ細胞は成長が遅く、死にやすかった | 著者は、不死は自然の生きものには負担が大きすぎるか、仕組みとして無理かもしれないと書いている |
出典: Piraino ら(1996)、Matsumoto ら(2019)、Hasegawa ら(2016・2023)、Schaible ら(2015)、Martínez(1998)、Estep(2010)、Ruby ら(2018・2024)、Dammann ら(2019)、Tian ら(2013)、Delaney ら(2016)、Nielsen ら(2016)、da Silva ら(2022)、Stewart ら(2005)の要旨(2026年11月6日に確認)。いずれも動物や細菌の結果で、人で同じとは限らない。
仕組みを探す研究も進んでいる。2022年の論文は、繰り返し若い形へ戻る種(Turritopsis dohrnii)とそうでない近い種のゲノムを比べ、DNA の複製と修復、テロメア(染色体の端を守る部分)の維持などに関わる遺伝子の違いを報告した。ハダカデバネズミでは、体に多い大きなヒアルロン酸ががんへの強さに関わると2013年に報告され、2023年には、この動物の遺伝子を入れたマウスでがんが減り、寿命が長くなり、炎症が弱まったと報告された。ただしマウスの結果であり、人で同じとは限らない。
人の寿命に限界はあるのか
決着していない。2016年に Nature に載った論文が限界説を強く打ち出し、その後の論文が人口データの読み方と記録の正しさをめぐって争っている。流れを表にまとめる。
| 年 | 論文 | 調べたもの | 主張 |
|---|---|---|---|
| 2016 | Dong ら(Nature) | 各国の人口データと、各年の最高齢の死亡年齢 | 100歳を超えると生存の改善が鈍り、最高齢の死亡年齢は1990年代から伸びていない。年ごとの最高死亡年齢は約114.9歳で頭打ちで、125歳を超える確率はどの年でも1万分の1未満 |
| 2017 | Brown ら・Hughes ら・Rozing ら・Lenart ら(Nature) | Dong らの解析への反論4本 | Lenart らは、上限はあるかもしれないが、この結果はその証拠にならないと書いた |
| 2018 | Barbi ら(Science) | イタリアの105歳以上の3,836人(1896〜1910年生まれ) | 105歳を超えると死亡リスクは上がらず一定。1年に亡くなる確率は47.5%(1904年生まれの基準)で、生まれた年が遅いほど少し下がる |
| 2018 | Beltrán-Sánchez ら(Science のコメント) | Barbi らと同じデータ | 老化の速さが変わらない限り、122歳を大きく超えられない。Barbi らは、この計算は誤解を招くと反論した |
| 2018 | Newman(PLoS Biology) | 年齢の記録の誤りの影響 | 誤りが1万分の1未満でも死亡率の頭打ちは生じ、補正すると消える。人の寿命に限界があることを示唆する |
| 2021 | Belzile ら(Royal Society Open Science) | イタリアとフランスの超高齢者、国際長寿データベース | 108歳を超えるとリスクは一定で、次の1年を生きる確率は約5割。上限が130歳未満にあるとは考えにくい |
| 2021 | Pearce・Raftery(Demographic Research) | 2100年までの人口予測のモデル | 2100年までに122歳の記録が破られる確率は99%超。126歳に届く確率は89%、128歳は44%、130歳は13% |
| 2024 | Olshansky ら(Nature Aging) | 平均寿命の長い8か国と香港・米国の1990〜2019年 | 平均寿命の伸びは鈍っている。100歳まで生きる割合は女15%・男5%を超えにくい。生物としての老化が大きく遅くならない限り、今世紀に大幅に延ばすのは難しい |
出典: 各論文の要旨と、公開された全文で確かめた数字(2026年11月6日に確認)。2017年の4本のうち、中身まで読めたのは Lenart らの冒頭だけで、ほかの3本は題名の確認にとどまる。
読み違えやすいのは、「上限が無い」側も死なないとは言っていない点である。Barbi らの数字でも Belzile らの数字でも、超高齢になると1年に約半分の人が亡くなる。この確率が続くと単純に置くと、108歳の人が130歳まで生きる確率は2分の1を22回かけた値で、約420万分の1になる(当記事の計算)。頭打ちがあっても、不死とは遠い。
記録の正しさも論点である。122歳164日のカルマンさんについては、2019年に、娘のイボンヌさんが1934年に母と入れ替わったのではないかという説が出た。同じ年に別の研究者たちが、この説の根拠は不正確で、記録は最もよく検証された例だと反論している。年齢の記録の問題は、長寿地域の調査でも争われている(ブルーゾーンの記事)。
記録に近い人を調べた研究もある。2024年に117歳168日で亡くなった女性を詳しく調べた2025年の論文は、テロメアの短さなど高齢の印と、炎症の低さや若いエピゲノム(DNA に付く目印の状態)などの両方を報告した。ただ一人の例で、広く当てはめるには大きな調査が要ると著者は書いている。
なぜ不老不死はできないのか
今の研究で挙げられている理由を四つに分ける。どれも「絶対にできない」と証明したものではなく、今の時点の説明である。
一つ目は、進化が老化を残したこと。2022年の論文によると、若いうちの発達や繁殖に役立つ遺伝子の変化は、年をとってから害があっても残りやすい。自然の中では高齢まで生きる個体が少なく、高齢での害を取り除く力が弱いからである。2005年の総説は、限られた資源を成長・繁殖・体の維持に分け合う結果として体の傷がたまる、と説明している。この見方の出発点は1977年の論文である。
二つ目は、老化の原因が一つではないこと。2013年の総説は、老化に共通する特徴として、ゲノムの不安定さ、テロメアの短縮、DNA の目印の変化、たんぱく質の品質管理の低下、栄養を感じ取る仕組みの乱れ、ミトコンドリア(細胞のエネルギーを作る器官)の働きの低下、細胞の老化、幹細胞の減少、細胞どうしの連絡の変化の9つを挙げ、それぞれの関係と寄与はこれから調べる課題だと書いている。一つの薬で全部に手が届くのかは分かっていない。
三つ目は、細胞が死なないことと、がんが隣り合っていること。普通の人の細胞は分裂の回数に限りがあり、テロメアを伸ばす酵素(テロメラーゼ)を入れると普通の回数を少なくとも20回超えて分裂を続けた(1998年)。一方で、限りなく分裂できることは、がんの特徴の一つに数えられている(2011年の総説)。老化細胞(分裂を止めた細胞)にも、がんになりそうな細胞が増えるのを止める役割がある(2016年)。
四つ目は、人で確かめるのに時間がかかること。寿命の試験には長い年月が要る。後で触れる人の試験は2年や48週で、代わりの指標を測っている。その指標が寿命を言い当てるかも、まだ確かめられていない。
寿命を延ばす研究は動物と人でどこまで進んだのか
名前がよく挙がる5つを表にする。どれも人の寿命を測った試験は、調べた範囲では無かった。
| 方法 | 動物でどこまで | 人でどこまで | 人の寿命 |
|---|---|---|---|
| カロリー制限 | マウス960匹で、制限が強いほど寿命が長くなった。サルは2つの試験で結果が分かれた | 肥満でない218人の2年の無作為試験。血圧や LDL コレステロールが下がった | 測っていない |
| ラパマイシン | 遺伝的に多様なマウスで、生後600日から与えても寿命が長くなった。量を増やすと寿命の中央値が雄23%・雌26%長くなった | 健康な成人114人の48週の試験。主な評価の内臓脂肪は変わらなかった | 測っていない |
| メトホルミン | 雄のマウスで寿命が長くなった報告と、3施設の試験で差が出なかった報告がある | 観察の研究で結果が分かれる。TAME 試験は3,000人の計画だが、開始を確かめられなかった | 測っていない(TAME は死亡も評価の一部) |
| 老化細胞を除く | マウスで除くと寿命の中央値が長くなった。薬を与えた高齢マウスで投与後の生存が36%長くなった | 5〜60人の小さな試験。60人の無作為試験では主な評価に差が出なかった | 測っていない |
| 部分リプログラミング | 早く老いるマウスと高齢の普通のマウスで寿命が長くなった報告。続けて働かせると腫瘍や早い死亡が起きた | 目の病気の18人(予定)の第1相試験が2026年に始まった。結果は未公表 | 測っていない |
出典: この節の下に書いた各論文の要旨と ClinicalTrials.gov(2026年11月6日に確認)。動物の結果は人で同じとは限らない。
カロリー制限。2024年のマウスの試験(遺伝的に多様な雌960匹)では、20%と40%の制限、週1〜2日の断食で寿命が長くなったが、寿命への影響は遺伝の方が大きかった。40%の制限では筋肉など脂肪以外の体重が減り、感染に弱くなりうる免疫の変化も見られた。著者は、健康の改善と寿命の延長は同じではないと書いている。サルでは、ウィスコンシン大学の試験で生存がよくなり、米国国立老化研究所(NIA)の試験では差が出なかった。ウィスコンシン側は NIA の対照のサルも実質的に制限に近かったと指摘し、2017年に両方のデータを並べた論文は、試験の組み方の違いが結果の差に関わりうると書いている。人の CALERIE 試験は、肥満でない21〜50歳の218人を25%の制限か普段の食事に割り付けた。実際に減った量は平均11.9%で、体重は7.5kg減り、LDL コレステロールや血圧などが下がった。後からの解析では、老化の速さの指標 DunedinPACE はわずかに遅くなったが、別の指標(PhenoAge・GrimAge)は変わらなかった。参加者のその後を追う調査も登録されている。断食の話は16時間断食の記事に分けた。
ラパマイシン。細胞の成長の信号を伝える mTOR(エムトール)を抑える薬で、米国の添付文書では腎移植後の拒絶反応を防ぐ用途などで承認され、冒頭の警告に、免疫の抑制で感染しやすくなること、リンパ腫などが起きうることが書かれている。人では似た仕組みの薬の試験が先にあり、2014年の試験でインフルエンザワクチンへの反応が約20%上がり、2018年の試験(264人・6週間)で1年間の感染の報告が減った。しかし2021年の第3相(1,024人)では、呼吸器の症状のある病気の割合は26%と25%で差が無かった。ラパマイシンそのものを健康な成人に使った2025年の PEARL 試験(週5mg か10mg・48週・完了114人)では、除脂肪量(脂肪以外の体重)と痛みの改善は10mg を飲んだ女性で見られたが、その群の女性は8人だった。使った調剤品は血中の濃度が市販品の約3分の1だったと著者は書いている。実業家のブライアン・ジョンソンさんがやめた話はブライアン・ジョンソンの記事にある。
メトホルミン。2型糖尿病の薬である。マウスでは、餌に0.1%混ぜると雄の寿命が長くなり1%では毒性が出たという2013年の報告と、3施設で同時に試す米国の Interventions Testing Program で0.1%単独では有意な差が出なかったという2016年の報告がある。人の観察では、2014年の英国の研究が、メトホルミンを始めた糖尿病の人の方が糖尿病でない人より長く生きたと報告した(糖尿病でない人の生存期間の中央値が15%短い)。2022年のデンマークの研究は逆で、糖尿病でない人と比べて、メトホルミンを始めた糖尿病の人の死亡は調整後も1.32倍、双子の比較で1.64倍だった。観察の研究は原因を示さない。2019年の無作為試験では、平均62歳の53人が12週間の有酸素運動をする間に飲むと、運動によるインスリン感受性と最大酸素摂取量の上がりが弱まった。TAME 試験は2016年の論文で、65〜79歳の3,000人を約14施設で集め、心臓や血管の病気・がん・認知症・死亡のどれかが新しく起きるまでの時間を測る計画を示した。資金を集めている米国の団体 AFAR の2024年4月のページは、資金集めを進めていると書いている。2026年11月6日に ClinicalTrials.gov を検索した範囲では TAME の登録は見つからず、開始は確かめられなかった。
老化細胞を除く。老化細胞は、ストレスなどで分裂を止め、周りに物質を出し続ける細胞で、傷の治りや発生で役立つ面もある。2016年のマウスの試験では、1歳から老化細胞を除くと雌雄とも寿命の中央値が長くなった。2018年の試験で使われた薬の組み合わせはダサチニブ(白血病の薬)とケルセチンで、人でも小さな試験がある。肺の線維化の14人(対照なし)では歩く距離などが改善したが肺の機能は変わらず、糖尿病による腎臓病の9人(対照なし)では11日で脂肪と皮膚の老化細胞の目印が減った。軽いアルツハイマー病の5人では認知の評価に変化は無かった。閉経後の女性60人の無作為試験(2024年)では、主な評価の骨を壊す指標に差が出なかった。老化細胞が多い女性では差が見られたが、探索的な解析で、確かめるには別の試験が要ると著者は書いている。
部分リプログラミング。細胞を iPS 細胞(いろいろな細胞になれる細胞)に戻す4つの遺伝子(山中因子。Oct4・Sox2・Klf4・c-Myc)を短い間だけ働かせ、細胞の状態を若い側へ戻そうとする方法である。2016年に早く老いるマウスで寿命が長くなり、2020年には3因子で緑内障のモデルマウスと高齢マウスの視力が戻った。2022年には普通のマウスで長期間続け、腎臓や皮膚で若い側への変化を報告している。2024年の報告は、124週齢の雄のマウスで残りの寿命の中央値が109%長くなったとするが、寿命全体では対照の約133週に対して142.5週で、著者の多くは開発企業の社員である。危険もある。4因子を体の中で働かせたマウスでは奇形腫(いろいろな組織が混ざった腫瘍)やがんができ(2013年・2014年)、働かせ続けると肝臓と腸が傷んで1週間以内に死ぬことがあった(2023年)。人では Life Biosciences 社の ER-100 が試験に入った。2026年1月に米国食品医薬品局(FDA)が試験の開始を認めたと同社が発表し、緑内障と NAION(視神経の血流の病気)の18人(予定)の目に1回注射して安全性を見る第1相(少人数で安全性を確かめる最初の段階)として2026年3月に始まった。登録の最終更新(2026年5月)では募集中である。寿命を測る試験ではない。
このほか、賞金総額1億100万ドルの XPRIZE Healthspan は、50〜80歳の筋肉・認知・免疫の働きを、1年以内の治療で最低10年分(目標20年分)戻すことを課題にしている。これも寿命そのものではなく、働きを測る競技である。長寿遺伝子と呼ばれた話はサーチュイン遺伝子の記事、NMN の人の試験はNMN の効果の記事、オートファジーはオートファジーの記事に分けた。
注意
ラパマイシン・メトホルミン・ダサチニブは病気の治療に使う処方薬で、健康な人が飲んで寿命が長くなると確かめた試験は見つからなかった。この記事は飲むことを勧めるものではなく、未承認の薬や個人輸入の案内もしない。極端な食事制限を含め、持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人、成長期の人は、始める前に医師に相談してほしい。この記事は研究の紹介であり、診断や治療の代わりにはならない。
冷凍保存や意識のアップロードで死を避けられるのか
今のところ、できていない。人体冷凍保存(クライオニクス)は、亡くなった人の体を極低温で保ち、将来の技術に託す試みである。米国の保存団体 Alcor の公式の説明自身が、人の冷凍保存は今の技術では元に戻せないと書き、胚より成長した人を氷点よりはるかに低い温度から生き返らせた例は無いとしている。いつ可能になるかは、数十年から数世紀まで意見が分かれるという。脳の保存では、2015年にウサギとブタの脳を固定液と凍結を防ぐ液で処理して-135度で保ち、シナプス(神経どうしのつなぎ目)まで形が残ったという報告がある。ただしこれは脳の研究のための保存法で、固定した脳の形を残す技術である。
意識を機械に移す話(マインドアップロード)も、実現した例を当記事は見つけられなかった。足場になる脳の配線図では、2024年に成虫のショウジョウバエの脳全体が公表された。神経細胞は13万9,255個、シナプスは約5,000万である。成人の男性の脳の神経細胞は平均約861億個と測られており、数だけでも約62万倍ある。配線図があることと、その人の意識を動かせることも別の話である。
不老不死になると人間はどうなるのか
不老不死の人はいないので、どうなるかを測った研究は無い。数字のあるモデルや調査と、考察や推測を分けて書く。まず数字のある話を表にする。
| 問い | 分かっていること | 種類 |
|---|---|---|
| 老化が無くなれば死なないのか | 老化が無くなっても事故などは残る。2025年の日本の生命表で、20歳の人が1年で亡くなる割合は男0.041%・女0.030%。これが一生続くと置くと、平均の寿命は約2,400年・約3,300年で、無限にはならない | 当記事の単純計算 |
| 人口は爆発するのか | スウェーデンの2005年の人口と出生の水準で、60歳から老化しないと置いても、100年後の人口は22%増(910万人から1,100万人)にとどまった | 人口モデル(2010年) |
| お金はどうなるのか | 老化を遅らせる想定の米国の試算で、平均寿命は2.2年伸び、50年で7.1兆ドルの価値。年金などの支出は増え、受給年齢を上げれば相殺できるとした。別の試算は、老化を遅らせて平均寿命を1年延ばす価値を38兆ドル、10年で367兆ドルとした | 経済モデル(2013年・2021年) |
| みんな望むのか | 米国の成人2,012人の調査で、120歳以上まで生きられる治療を受けたくない人は56%。社会によいと答えた人は41%、悪いは51%。理想の寿命の中央値は90年。オーストラリアの605人の調査でも、よい面と悪い面の両方が挙がった | 世論調査(2013年・2009年) |
出典: 厚生労働省「令和7年簡易生命表の概況」、Gavrilov ら(2010)、Goldman ら(2013)、Scott ら(2021)、Pew Research Center(2013)、Partridge ら(2009)(2026年11月6日に確認)。モデルは置いた条件の下での計算で、起きた結果ではない。
ここから先は推測である。米国大統領生命倫理評議会の2003年の報告書は、老化を遅らせる技術が広がった場合を仮定して論じている。個人については、時間が増えて新しい挑戦ができる面がある一方で、終わりがあるから打ち込めるという感覚や切迫感が弱まるかもしれない、子どもを持つ動機が変わるかもしれないと書く。社会については、世代の交代が遅れ、組織に新しい考えが入りにくくなるかもしれないと書く。これは考察で、測った結果ではない。
「不老と不死はつらいのか」という問いにも、測った答えは無い。物語では、スウィフトの『ガリバー旅行記』第3部第10章に出てくるストラルドブラグが有名である。死なないまま老い、30歳頃から憂うつが強まり、80歳で法律の上では死者として扱われる。不死だけがあって不老が無い場合の想像であり、研究の結果ではない。
まだ分かっていないこと
人の寿命に上限があるかは分かっていない。105歳を超える人のデータは数千人規模で、年齢の記録の誤りがどこまで結果を左右するかも争われている。
老化を遅らせる方法が人の寿命を延ばすかを確かめた試験は、調べた範囲では無かった。CALERIE は2年、PEARL は48週で、老化細胞の無作為試験は60人である。DNA メチル化から計算する老化の指標が寿命の代わりになるかも確かめられておらず、CALERIE の解析でも指標によって結果が違った。著者は、結論には長期の追跡が要ると書いている。TAME 試験が始まるのか、いつ結果が出るのかも確かめられなかった。
ベニクラゲやハダカデバネズミの仕組みが、どこまで人に移せるかは分からない。動物で寿命が長くなったことは、人で同じことを意味しない。2024年のマウスの試験が示すように、健康の改善と寿命の延長も同じではない。長さより元気な期間を知りたい人は健康寿命の記事を読んでほしい。
老化が大きく遅れた社会で、人の気持ちや働き方、家族の形がどう変わるかは、まだ誰も観察していない。
出典
- 不老不死(コトバンク:デジタル大辞泉・精選版 日本国語大辞典・ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典など)
- 徐福(コトバンク:デジタル大辞泉・デジタル版 日本人名大辞典+Plus など)
- 田道間守(コトバンク:精選版 日本国語大辞典・日本大百科全書など)
- 『史記』巻6 秦始皇本紀(本文・維基文庫)
- 『史記』巻118 淮南衡山列伝(本文・維基文庫)
- 阿須賀神社(和歌山県 県土整備部 道路局 道路政策課)
- 富士山世界遺産コラム vol.26「かぐや姫の物語」と『竹取物語』(静岡県富士山世界遺産センター・2024)
- 令和7(2025)年簡易生命表の概況(厚生労働省・2026)
- 令和8年度百歳の高齢者へのお祝い状及び記念品の贈呈について(厚生労働省・2026)
- Oldest person ever(ギネス世界記録の公式ページ)
- Why Gilgamesh failed: the mechanistic basis of the limits to human lifespan(Nature Aging・2022)
- Implausibility of radical life extension in humans in the twenty-first century(Nature Aging・2024)
- Slow mortality rate accelerations during aging in some animals approximate that of humans(Science・1990)
- Antiaging Strategies and Remedies: A Landscape of Research Progress and Promise(ACS Chemical Neuroscience・2024)
- Diversity of ageing across the tree of life(Nature・2014)
- Reversing the Life Cycle: Medusae Transforming into Polyps and Cell Transdifferentiation in Turritopsis nutricula (Cnidaria, Hydrozoa)(The Biological Bulletin・1996)
- Transcriptome Characterization of Reverse Development in Turritopsis dohrnii (Hydrozoa, Cnidaria)(G3・2019)
- De Novo Assembly of the Transcriptome of Turritopsis, a Jellyfish that Repeatedly Rejuvenates(Zoological Science・2016)
- Genome assembly and transcriptomic analyses of the repeatedly rejuvenating jellyfish Turritopsis dohrnii(DNA Research・2023)
- Comparative genomics of mortal and immortal cnidarians unveils novel keys behind rejuvenation(PNAS・2022)
- Constant mortality and fertility over age in Hydra(PNAS・2015)
- Mortality patterns suggest lack of senescence in hydra(Experimental Gerontology・1998)
- Declining asexual reproduction is suggestive of senescence in hydra: comment on Martinez, D., "Mortality patterns suggest lack of senescence in hydra." Exp Gerontol 33, 217-25(Experimental Gerontology・2010)
- Naked Mole-Rat mortality rates defy gompertzian laws by not increasing with age(eLife・2018)
- Five years later, with double the demographic data, naked mole-rat mortality rates continue to defy Gompertzian laws by not increasing with age(GeroScience・2024)
- Comment on 'Naked mole-rat mortality rates defy Gompertzian laws by not increasing with age'(eLife・2019)
- High-molecular-mass hyaluronan mediates the cancer resistance of the naked mole rat(Nature・2013)
- Increased hyaluronan by naked mole-rat Has2 improves healthspan in mice(Nature・2023)
- Initial Case Reports of Cancer in Naked Mole-rats (Heterocephalus glaber)(Veterinary Pathology・2016)
- Eye lens radiocarbon reveals centuries of longevity in the Greenland shark (Somniosus microcephalus)(Science・2016)
- Slow and negligible senescence among testudines challenges evolutionary theories of senescence(Science・2022)
- Aging and death in an organism that reproduces by morphologically symmetric division(PLoS Biology・2005)
- Evidence for a limit to human lifespan(Nature・2016)
- Contesting the evidence for limited human lifespan(Nature・2017)
- Many possible maximum lifespan trajectories(Nature・2017)
- Is there evidence for a limit to human lifespan?(Nature・2017)
- Questionable evidence for a limit to human lifespan(Nature・2017)
- The plateau of human mortality: Demography of longevity pioneers(Science・2018)
- Comment on "The plateau of human mortality: Demography of longevity pioneers"(Science・2018)
- Response to Comment on "The plateau of human mortality: Demography of longevity pioneers"(Science・2018)
- Errors as a primary cause of late-life mortality deceleration and plateaus(PLoS Biology・2018)
- Human mortality at extreme age(Royal Society Open Science・2021)
- Probabilistic forecasting of maximum human lifespan by 2100 using Bayesian population projections(Demographic Research・2021)
- Evidence That Jeanne Calment Died in 1934-Not 1997(Rejuvenation Research・2019)
- The Real Facts Supporting Jeanne Calment as the Oldest Ever Human(The Journals of Gerontology Series A・2019)
- The multiomics blueprint of the individual with the most extreme lifespan(Cell Reports Medicine・2025)
- Understanding the odd science of aging(Cell・2005)
- Evolution of ageing(Nature・1977)
- The hallmarks of aging(Cell・2013)
- Extension of life-span by introduction of telomerase into normal human cells(Science・1998)
- Hallmarks of cancer: the next generation(Cell・2011)
- Naturally occurring p16(Ink4a)-positive cells shorten healthy lifespan(Nature・2016)
- Dietary restriction impacts health and lifespan of genetically diverse mice(Nature・2024)
- Caloric restriction reduces age-related and all-cause mortality in rhesus monkeys(Nature Communications・2014)
- Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study(Nature・2012)
- Caloric restriction improves health and survival of rhesus monkeys(Nature Communications・2017)
- 2 years of calorie restriction and cardiometabolic risk (CALERIE): exploratory outcomes of a multicentre, phase 2, randomised controlled trial(The Lancet Diabetes & Endocrinology・2019)
- Effect of long-term caloric restriction on DNA methylation measures of biological aging in healthy adults from the CALERIE trial(Nature Aging・2023)
- The CALERIE Legacy Study(ClinicalTrials.gov・NCT05651620)
- Rapamycin fed late in life extends lifespan in genetically heterogeneous mice(Nature・2009)
- Rapamycin-mediated lifespan increase in mice is dose and sex dependent and metabolically distinct from dietary restriction(Aging Cell・2014)
- mTOR inhibition improves immune function in the elderly(Science Translational Medicine・2014)
- TORC1 inhibition enhances immune function and reduces infections in the elderly(Science Translational Medicine・2018)
- Targeting the biology of ageing with mTOR inhibitors to improve immune function in older adults: phase 2b and phase 3 randomised trials(The Lancet Healthy Longevity・2021)
- Influence of rapamycin on safety and healthspan metrics after one year: PEARL trial results(Aging・2025)
- Rapamune(sirolimus)の添付文書(米国 FDA・2015)
- Metformin improves healthspan and lifespan in mice(Nature Communications・2013)
- Longer lifespan in male mice treated with a weakly estrogenic agonist, an antioxidant, an α-glucosidase inhibitor or a Nrf2-inducer(Aging Cell・2016)
- Can people with type 2 diabetes live longer than those without? A comparison of mortality in people initiated with metformin or sulphonylurea monotherapy and matched, non-diabetic controls(Diabetes, Obesity and Metabolism・2014)
- Reassessing the evidence of a survival advantage in Type 2 diabetes treated with metformin compared with controls without diabetes: a retrospective cohort study(International Journal of Epidemiology・2022)
- Metformin inhibits mitochondrial adaptations to aerobic exercise training in older adults(Aging Cell・2019)
- Metformin as a Tool to Target Aging(Cell Metabolism・2016)
- AFAR Initiative in the News: NPR spotlights TAME Trial(American Federation for Aging Research・2024)
- Senolytics improve physical function and increase lifespan in old age(Nature Medicine・2018)
- Senolytics in idiopathic pulmonary fibrosis: Results from a first-in-human, open-label, pilot study(EBioMedicine・2019)
- Senolytics decrease senescent cells in humans: Preliminary report from a clinical trial of Dasatinib plus Quercetin in individuals with diabetic kidney disease(EBioMedicine・2019)
- Senolytic therapy in mild Alzheimer's disease: a phase 1 feasibility trial(Nature Medicine・2023)
- Effects of intermittent senolytic therapy on bone metabolism in postmenopausal women: a phase 2 randomized controlled trial(Nature Medicine・2024)
- Dasatinib(米国国立がん研究所)
- In Vivo Amelioration of Age-Associated Hallmarks by Partial Reprogramming(Cell・2016)
- Reprogramming to recover youthful epigenetic information and restore vision(Nature・2020)
- In vivo partial reprogramming alters age-associated molecular changes during physiological aging in mice(Nature Aging・2022)
- Gene Therapy-Mediated Partial Reprogramming Extends Lifespan and Reverses Age-Related Changes in Aged Mice(Cellular Reprogramming・2024)
- Reprogramming in vivo produces teratomas and iPS cells with totipotency features(Nature・2013)
- Premature termination of reprogramming in vivo leads to cancer development through altered epigenetic regulation(Cell・2014)
- In vivo reprogramming leads to premature death linked to hepatic and intestinal failure(Nature Aging・2023)
- Life Biosciences Announces FDA Clearance of IND Application for ER-100(Life Biosciences・2026)
- Evaluating ER-100 for Safety in People With Glaucoma or NAION(ClinicalTrials.gov・NCT07290244)
- XPRIZE Healthspan(XPRIZE 財団の公式ページ)
- Frequently Asked Questions(Alcor Life Extension Foundation の公式ページ)
- Aldehyde-stabilized cryopreservation(Cryobiology・2015)
- Neuronal wiring diagram of an adult brain(Nature・2024)
- Equal numbers of neuronal and nonneuronal cells make the human brain an isometrically scaled-up primate brain(The Journal of Comparative Neurology・2009)
- Demographic consequences of defeating aging(Rejuvenation Research・2010)
- Substantial health and economic returns from delayed aging may warrant a new focus for medical research(Health Affairs・2013)
- The economic value of targeting aging(Nature Aging・2021)
- Living to 120 and Beyond(Pew Research Center・2013)
- Ethical, social, and personal implications of extended human lifespan identified by members of the public(Rejuvenation Research・2009)
- Beyond Therapy 第4章 Ageless Bodies(米国大統領生命倫理評議会・2003)
- Gulliver's Travels(Jonathan Swift・本文は Project Gutenberg)
よくある質問
不老不死は実現できますか?
今の科学では実現していません。老いず死なない人は確かめられておらず、記録に残る最長寿はフランスのジャンヌ・カルマンさんの122歳164日です。カロリー制限やラパマイシンなどはマウスで寿命が長くなったと報告されていますが、人の試験は寿命そのものを測っておらず、人で寿命を延ばすと確かめられた薬はありません。
なぜ不老不死はできないのですか?
今の研究では主に四つの説明があります。若いうちに役立つ遺伝子の変化は年をとってからの害があっても残りやすいこと、老化の原因が一つではないこと、細胞が限りなく分裂できることはがんの特徴でもあること、人で確かめるのに長い年月がかかることです。ただし、どれも絶対に不可能だと証明したものではありません。
不老不死になると人間はどうなりますか?
不老不死の人はいないので、測った研究はありません。モデルでは、スウェーデンの人口で60歳から老化しないと置いても100年後の人口は22%増でした。老化が無くなっても事故などは残り、日本の20歳の死亡率が一生続くと置いた単純計算でも平均は約2,400〜3,300年です。生き方や社会がどう変わるかは考察の段階で、結果ではありません。
不老不死の生きものはいますか?
死なないと確かめられた生きものはいません。ベニクラゲの仲間は成熟した後に幼い形へ戻ることがあり、ヒドラやハダカデバネズミでは年齢で死亡リスクが上がらないという報告があります。ただしヒドラの死亡率も0ではなく、ハダカデバネズミの結論には批判があります。動物の結果は人で同じとは限りません。
人の寿命に限界はありますか?
決着していません。2016年の論文は上限を強く示唆しましたが反論が続き、イタリアの105歳以上の研究は死亡リスクが一定になると報告し、年齢の記録の誤りが原因だとする反論も出ました。上限が無いとする側でも、超高齢では1年に約半分の人が亡くなるという数字で、死なないという意味ではありません。