サーチュイン遺伝子とは|長寿遺伝子説と再検証を論文で確認
サーチュイン遺伝子はNAD+を使う酵素の設計図で、人には7種類ある。酵母や線虫の実験で長寿遺伝子と呼ばれたが、2011年の再検証で線虫とハエの結果は揺らいだ。マウスではSIRT6で寿命が長くなったが、人で寿命を変える方法は確かめられていない。
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結論
サーチュイン遺伝子は、NAD+(細胞の中でエネルギーの受け渡しに使われる補酵素)を使って働く酵素の設計図で、人を含む哺乳類には SIRT1〜SIRT7 の7種類があります。酵母・線虫・ハエで増やすと寿命が長くなったという報告から「長寿遺伝子」と呼ばれましたが、2011年の再検証で線虫とハエの結果は遺伝的な背景をそろえると消えたと報告され、その後も量や組織によっては長くなるという報告が続く論争になっています。マウスでは SIRT6 を多く作らせると寿命が長くなり、SIRT1 は増やしても寿命が変わらなかった報告が2つ、脳だけで増やすと長くなった報告が1つあります。人では遺伝子の違いと長生きの関連は結果がそろっておらず、食品やサプリでサーチュインを変えて寿命が変わることを示した試験は見つかりませんでした。レスベラトロールで SIRT1 を測った無作為試験をまとめた2025年の解析でも、全体では有意な変化はありませんでした。
この記事の基準日: 2026年11月6日。PubMed に載る論文(酵母・線虫・ハエ・マウス・サルの研究、人の遺伝子の研究と試験)の要旨を NCBI の公式の窓口で開いて読み、公開されている一部の論文は全文も読んで書きました。全文を開けなかった論文は、要旨に書かれた範囲だけを使っています。医師の監修は受けていません。
サーチュイン遺伝子とは何か
サーチュインは、酵母の Sir2 という遺伝子とよく似た遺伝子の仲間と、そこから作られる酵素をまとめた呼び名です。遺伝子は設計図で、細胞の中で実際に働くのは設計図から作られたたんぱく質(酵素)です。1999年の論文は、Sir2 に似た人の遺伝子5つを調べ、そのたんぱく質を sirtuins(サーチュイン)と呼びました。5つとも胎児と大人のさまざまな組織で作られていました。その後の研究で、哺乳類には SIRT1〜SIRT7 の7種類があるとされています。ある人だけが持つ特別な遺伝子ではありません。
働きの中心が分かったのは2000年です。マサチューセッツ工科大学の今井眞一郎さんと Leonard Guarente さんらは、酵母とマウスの Sir2 が、NAD+ を使ってヒストン(DNA が巻き付いているたんぱく質)からアセチル基(たんぱく質に付く小さな印)を外す酵素であると報告しました。論文は、この反応が代謝と遺伝子の働きの調節、老化を結びつけると書いています。NAD+ が要る酵素なので、細胞の中の NAD+ の量に左右されうると考えられ、NAD+ の材料を飲む話につながりました。材料の NMN については NMN の効果を人の試験で確かめた記事で詳しく扱っています。
7種類は、細胞の中の場所も、外す印も違います。
| 種類 | 細胞の中の場所 | 報告されている働き |
|---|---|---|
| SIRT1 | 核 | p53(細胞の増殖や死に関わるたんぱく質)などからアセチル基を外す。酵母の Sir2 に最も近い |
| SIRT2 | 主に細胞質 | 細胞の骨組みである微小管の材料、チューブリンからアセチル基を外す |
| SIRT3 | ミトコンドリア(細胞の中でエネルギーを作る小器官) | ミトコンドリアの多くのたんぱく質からアセチル基を外す主な酵素。無くしたマウスは、普段の状態では代謝に異常が見られなかった |
| SIRT4 | ミトコンドリア | NAD+ を使ってグルタミン酸脱水素酵素の働きを抑え、アミノ酸に反応したインスリンの分泌を抑える。カロリー制限のマウスではこの働きが弱まっていた |
| SIRT5 | ミトコンドリア | スクシニル基・マロニル基という別の印を外す |
| SIRT6 | 核(DNA が固く畳まれた部分) | DNA の修復に関わる。長い脂肪酸の印を外す働きもあり、TNF-α(炎症に関わる信号物質)の分泌を進める |
| SIRT7 | 核小体(核の中でリボソームの材料を作る場所) | RNA ポリメラーゼ I(リボソームの材料の RNA を作る酵素)の働きを高める |
出典: Frye(1999)、Michishita ら(2005)、North ら(2003)、Lombard ら(2007)、Haigis ら(2006)、Du ら(2011)、Mostoslavsky ら(2006)、Jiang ら(2013)、Ford ら(2006)の要旨(2026年11月6日に確認)。細胞とマウスの結果で、人の体の中で同じとは限らない。
2013年の論文は、7種類のうち4種類は試験管の中でアセチル基を外す力がとても弱いと書いています。SIRT4 のようにカロリー制限と逆向きに働くものもあります。「サーチュインを活性化する」と言うとき、7種類のどれを指すのかで話が変わります。
なぜ「長寿遺伝子」と呼ばれるようになったのか
始まりは酵母です。酵母の寿命は、一つの母細胞が娘細胞を生み出せる回数で測ります。1990年代に、Sir の仲間の遺伝子が酵母の寿命を左右することが分かり、その後の10年で線虫・ハエへと広がりました。線虫(土の中などにいる小さな虫)とハエは寿命が短く、遺伝子を変えて寿命を測りやすい生き物です。
| 年 | 生き物 | 何をしたか | 何が報告されたか |
|---|---|---|---|
| 1995 | 酵母 | ストレスに強い変異を選び、寿命を測った | SIR4 の変異(sir4-42)で寿命が30%を超えて長くなった |
| 1999 | 酵母 | SIR2 の数を増やした・無くした | 増やすと寿命が長くなり、無くすと短くなった。SIR2 は DNA の一部(rDNA)の組み換えを抑えていた |
| 2000 | 酵母 | カロリー制限にあたる条件で育てた | 寿命が長くなったが、SIR2 や、NAD+ を作る遺伝子 NPT1 に変異があると長くならなかった |
| 2001 | 線虫 | sir-2.1(Sir2 に最も近い遺伝子)を含む染色体の重複を持つ株を調べた | 寿命が最大50%長くなった |
| 2004 | ハエ | dSir2 を増やした・減らした | 増やすと寿命が長くなり、減らすとカロリー制限で長くなる効果が消えた |
出典: Kennedy ら(Cell・1995)、Kaeberlein ら(Genes & Development・1999)、Lin ら(Science・2000)、Tissenbaum と Guarente(Nature・2001)、Rogina と Helfand(PNAS・2004)の要旨(2026年11月6日に確認)。酵母・線虫・ハエの結果で、人で同じとは限らない。
酵母から動物まで同じ仲間の遺伝子で寿命が変わり、カロリー制限ともつながり、代謝に使う NAD+ が要る。この分かりやすい筋書きから「長寿遺伝子」という呼び名が広まりました。日本語でも、公益財団法人 長寿科学振興財団の解説が「長寿遺伝子」の別名を紹介しています。レスベラトロールがこの流れで注目され、製薬会社の買収にまで進んだ経緯は レスベラトロールの記事にまとめています。
2011年の再検証では何が否定されたのか
2011年、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの Burnett さんらは Nature に、線虫とハエの当初の報告を調べ直した結果を出しました。寿命の実験は、調べたい遺伝子以外の違い(遺伝的な背景)に大きく左右されます。そこで、野生型と交配を繰り返して背景をそろえる操作(戻し交配)と、きちんと対応した比較対象を使って測り直しました。
線虫では、sir-2.1 を多く持つ株(LG100)を戻し交配すると、sir-2.1 のたんぱく質は多いままなのに寿命の差が消えました。寿命が長いことは sir-2.1 ではなく、感覚の神経に関わる別の変異(dyf と呼ばれる、遺伝子は未特定)と一緒に受け継がれていました。sir-2.1 の数が少ない株(NL3909)でも、戻し交配で差が消えました。
ハエでは、dSir2 を全身で多く作るハエは、野生型より長生きしましたが、対応する遺伝子操作の比較対象とは差がありませんでした。もっと強く dSir2 を作る新しい系統でも寿命は長くなりませんでした。さらに、dSir2 が無いハエでも食事の制限で寿命が長くなりました。2004年の「カロリー制限には dSir2 が要る」という報告と逆の結果です。
著者らは、サーチュインが動物の寿命に関わる可能性までは否定しないが、線虫とハエで報告された効果の確かさには疑いがあると書いています。つまり否定されたのは「サーチュインに意味がない」ことではなく、「増やせば線虫もハエも長生きする」という当初の結果の強さです。この再検証は酵母を調べ直したものではありません。
その後の報告も並べます。
| 生き物 | 当初の報告 | 2011年の再検証 | その後 |
|---|---|---|---|
| 線虫 | 2001年: 寿命が最大50%長い | 戻し交配で差が消えた。別の変異が原因 | Guarente さんらが2001年の論文への注釈(2011年)を出した。要旨が無く全文を開けなかったので、中身はここに書かない |
| ハエ | 2004年: 増やすと寿命が長く、カロリー制限にも必要 | 対応する比較対象と差がない。dSir2 が無くても食事の制限で長くなる | 2012年: 脂肪体(ハエの肝臓と脂肪にあたる組織)の dSir2 は食事の条件によって寿命を変えるが、筋肉では変えない。2013年: 成虫の脂肪体で約3倍に増やすと雌雄とも約13%長い。2013年: 2〜5倍で長くなり、それより多いと短くなる |
出典: Tissenbaum と Guarente(2001)、Rogina と Helfand(2004)、Burnett ら(Nature・2011)、Viswanathan と Guarente(Nature・2011)、Banerjee ら(Cell Reports・2012)、Hoffmann ら(Aging・2013)、Whitaker ら(Aging・2013)(2026年11月6日に確認)。
ハエでは「組織と量と食事によっては長くなる」という方向に話が移りました。Whitaker さんらは、結果が食い違ってきた理由を量の違いで説明できると主張しています。2013年の Hoffmann さんらは、dSir2 は長寿に関わるとしながら、食事の制限の時とは遺伝子の働きの変化が合わないので、食事の制限の効果を伝える役ではないと書いています。論争は決着していません。
人の細胞では、2005年の研究が、正常な人の線維芽細胞(皮膚などにある細胞)と前立腺の上皮細胞で7種類のどれを増やしても、分裂できる回数は増えなかったと報告しています。
カロリー制限と関係があるのか
カロリー制限(栄養を保ちながら食べる量を減らすこと)は多くの生き物で寿命を長くするとされ、サーチュインはその仕組みの候補とされてきました。ただ、生き物ごとに「要る」「要らない」の両方の報告があります。
| 生き物 | サーチュインが要るという報告 | 要らない・条件つきという報告 |
|---|---|---|
| 酵母 | 2000年: SIR2 に変異があるとカロリー制限で長くならない | 2004年: カロリー制限の効果の大部分は Sir2 を通らない経路によるもので、Sir2 と Fob1 が両方無い細胞ではさらに長くなった |
| ハエ | 2004年: dSir2 を減らすと効果が消える | 2011年: dSir2 が無くても長くなる。2013年: 遺伝子の働きの変化が合わない |
| マウス | 2008年: SIRT1 が無いマウスは40%の制限でも寿命が長くならない。2014年: 同じく有意に長くならない | 2014年: SIRT1 が片方だけのマウスは、普通のマウスと同じ中央値51%の延長。SIRT1 が多いことまでは要らない |
出典: Lin ら(2000)、Kaeberlein ら(PLoS Biology・2004)、Rogina と Helfand(2004)、Burnett ら(2011)、Hoffmann ら(2013)、Boily ら(PLoS One・2008)、Mercken ら(Aging Cell・2014)(2026年11月6日に確認)。動物の結果で、人で同じとは限らない。
マウスの結果には注意が要ります。SIRT1 が無いマウスは普通の餌でも寿命が短く、2014年の著者らは、カロリー制限と関係なく病気で早く死んだ可能性を認めています。そのうえで、より大きな試験と別の遺伝的背景での確認が要ると書いています。SIRT1 が片方だけのマウスは、カロリー制限で寿命は同じだけ長くなりましたが、目の感染や赤み、異常な増殖などが多く見られました(44%と31%)。
サルでは、カロリー制限そのものの結果が分かれました。米国ウィスコンシンの研究は20年の追跡で、報告の時点で生きていた割合が普通の餌で50%、制限で80%だったと2009年に報告しました。国立老化研究所(NIA)の研究は2012年に、生存は改善しなかったが健康面の利点はあったと報告しました。両者のデータを比べた2017年の論文は、試験の設計の違い(始めた年齢、餌など)で説明しうるとし、健康面の利点はサルでも保たれると結論しています。
人では、カロリー制限で筋肉の SIRT1 の遺伝子の量が増えたという報告があります。
- 太りぎみの成人36人(平均36.8歳)の6か月の試験では、25%のカロリー制限と、12.5%の制限に運動を足した群で、筋肉の SIRT1 などの遺伝子の量が増え、ミトコンドリアの DNA の量は制限の群で35%、運動を足した群で21%増えました。ただしミトコンドリアの酵素の働きは変わりませんでした。
- 太っていない成人16人が1日おきの断食を22日続けた試験では、筋肉を採った11人で SIRT1 の遺伝子の量が増えました(P=0.01)。ミトコンドリアを増やす遺伝子は変わらず、女性では食後の血糖の反応が少し悪くなりました。
- カロリー制限の大きな試験 CALERIE は、太っていない21〜50歳の218人を2年追いました。目標は25%でしたが実際の減少は11.9%で、体重は平均7.5kg減り、LDL コレステロールや血圧などが下がりました。要旨にサーチュインの値は報告されていません。
どの試験も寿命は測っていません。カロリー制限で人の SIRT1 の遺伝子の量が増えることと、それが健康の変化の理由であることは別の話で、後者は確かめられていません。短い時間の断食については 16時間断食の記事で扱っています。
マウスで寿命が長くなったのはどのサーチュインか
哺乳類で寿命の結果がはっきり出ているのは SIRT6 です。SIRT1 は結果が分かれています。
| 年 | 何をしたか | 寿命の結果 | ほかに報告されたこと |
|---|---|---|---|
| 2006 | SIRT6 を無くした | 生後約4週で死亡 | 生後2〜3週でリンパ球の減少、皮下脂肪の消失、背骨の曲がり、重い代謝の異常 |
| 2010 | SIRT1 を少し多く作らせた | 変わらない | 年をとったマウスで DNA の傷が少なく、がんが少ない |
| 2012 | SIRT6 を多く作らせた(混合の遺伝的背景) | オスだけ有意に長い。メスは変わらない | オスの血液の IGF-1(成長に関わるホルモン)が低い |
| 2013 | SIRT1 を脳だけで多く作らせた | 中央値がメス約16%、オス約9%長い | 視床下部(脳の中で代謝を調節する部分)の働きが関わる |
| 2014 | SIRT1 を活性化する物質として作られた SRT1720 を標準の餌に混ぜた | 長くなった(要旨に数字なし) | 肝臓と筋肉で炎症に関わる遺伝子の働きが減った |
| 2021 | SIRT6 を多く作らせた(C57BL/6 系統) | 中央値がオス27%、メス15%長い。最長の寿命もオス11%、メス15%長い | 年をとった時の弱り方が軽く、肝臓から糖を出す働きが保たれた |
| 2021 | SIRT1 を多く作らせた(同じ研究) | 中央値も最長も変わらない | SIRT1 と SIRT6 の両方を増やした群は中央値がオス25%、メス20%長い |
| 2021 | NAD+ の材料 NR(ニコチンアミド・リボシド)を遺伝的に多様なマウスの餌に混ぜた | 雌雄とも有意に長くならない | 同じ試験で別の物質(17α-エストラジオール)はオスで長くなった |
出典: Mostoslavsky ら(Cell・2006)、Herranz ら(Nature Communications・2010)、Kanfi ら(Nature・2012)、Satoh ら(Cell Metabolism・2013)、Mitchell ら(Cell Reports・2014)、Roichman ら(Nature Communications・2021)、Harrison ら(Aging Cell・2021)。数字は要旨と、公開されている全文で確認した(2026年11月6日)。Kanfi らの全文は開けなかったので、寿命の割合は書いていない。遺伝子を操作したマウスの結果で、人で同じとは限らない。
2012年はオスだけ、2021年は雌雄ともという違いについて、2021年の著者らは、前の研究ではオスでしか IGF-1 が下がらなかったのに今回は雌雄とも下がったこと、今回は年をとったメスの体重の維持がよかったことを挙げています。系統が変わると結果が変わるという点は、線虫とハエの再検証と同じ問題です。
SIRT6 については、生き物どうしを比べた研究もあります。2019年の研究は18種のげっ歯類を比べ、寿命が長い種ほど DNA の二本鎖の切れ目を直す力が強く、その差の多くは SIRT6 の違いで説明できると報告しました。マウスより力の強いビーバーの SIRT6 との差は、アミノ酸5か所で説明できたとしています。
SRT1720 については、SIRT1 を直接活性化するのかという論争があります。詳しくは レスベラトロールの記事の「その後の研究で何が揺らいだのか」に書いています。
大事なのは、寿命が長くなった SIRT6 のマウスは遺伝子を操作したマウスだという点です。人が食事やサプリで同じ状態を作れることを示したものではありません。
人ではサーチュイン遺伝子の違いと長生きに関係があるのか
人で調べられるのは、持っている遺伝子の型と長生きの関連です。遺伝子の型は人によって少し違い、長生きした人にどの型が多いかを比べます。結果はそろっていません。
| 研究 | 対象 | 遺伝子 | 結果 |
|---|---|---|---|
| Flachsbart ら 2006 | ドイツの長寿の人(90代・100歳以上)1,573人と、条件を合わせた若い対照 | SIRT1 | どの型でも長寿との関連は無かった |
| Kuningas ら 2007 | ライデン研究の85歳以上の1,245人 | SIRT1 | 心臓や血管の死亡が少ない傾向の型があった。認知機能がよい型もあった。寿命との関係は未解決と著者は書く |
| Figarska ら 2013 | オランダの一般住民1,390人を18年追跡 | SIRT1(rs12778366) | 少数の型を持つ人は死亡の危険度が0.69倍(95%信頼区間 0.50〜0.96)。論文は、それまでの数少ない研究では関連が無かったと書いている |
| Rose ら 2003 | 高齢の男性(人数は要旨に無い) | SIRT3(G477T) | TT 型で生存が高く(p=0.0272)、GT 型で低い(p=0.0391) |
| Bellizzi ら 2005 | 20〜106歳の945人 | SIRT3 | 遺伝子の働きを高める力の無い型が、90歳を超える男性にはほとんどいなかった |
| Albani ら 2014 | イタリア・トレヴィーゾの70歳超の549人 | SIRT3 | 85歳以上と未満の比較では差なし。追跡では2つの型が長生きと関連(補正後 p=0.04、0.03)。男女別では女性だけ |
| Hirvonen ら 2017 | フィンランドの男性。長生きで健康な43人、平均66.6歳で亡くなった92人、別の確認用に平均83歳の63人 | SIRT6(rs117385980) | T 型は長生きの人に少ない向き。題名は「関連がある」だが、全部合わせて P=0.07、オッズ比3.53(95%信頼区間 0.96〜13.4)で、統計の基準に届いていない。著者も大きな研究での確認が要るとする |
| TenNapel ら 2014 | 米国アイオワ州の65歳以上の1,192人 | SIRT6(rs107251) | CC 型・CT 型は TT 型より平均5.5年・5.9年長く生きた(q=0.012)。ただし TT 型は10人だけ |
| Simon ら 2022 | アシュケナージ系ユダヤ人の100歳以上450人と、長寿の家系ではない550人 | SIRT6(N308K/A313S) | 100歳以上に多い珍しい型。細胞の実験で DNA の修復などが強かった |
| Deelen ら 2019 | 生存の上位10%に入る11,262人、上位1%に入る3,484人と、対照25,483人(複数の研究のまとめ) | 全ゲノム | 全ゲノムの基準に届いたのは APOE と GPR78 の近くの2か所で、サーチュインの遺伝子は入っていない |
出典: 各論文の要旨、Figarska・TenNapel・Deelen の3本は全文も確認(2026年11月6日)。どれも関連を見た研究で、その型が長生きの原因であることは示さない。
読むときの注意は三つあります。一つ目は同じ遺伝子でも結果が割れることです。SIRT1 では、ドイツの研究は関連なし、オランダの研究は関連ありでした。二つ目は数の少なさです。TenNapel さんらの「5年以上」の差は、TT 型の10人との比較です。三つ目は、調べる型や分け方が多いと偶然の関連も出やすいことです。Figarska さんらの研究も、複数の型、複数の分け方で調べています。全ゲノムをまとめて見る大きな解析でサーチュインの遺伝子が基準に届いていないのは、影響が大きくないか、この規模でも検出できていない可能性を示します。
一方で、遺伝子が大きく壊れると重い結果になる例はあります。SIRT6 の働きをほとんど失う変異(D63H)を両方の遺伝子に持つ胎児4例には重い先天異常があり、周産期(出産の前後)に亡くなったと報告されました。SIRT1 の変異(L107P)を持つ家族では、5人が自己免疫の病気を発症し、4人が1型糖尿病でした。ただ、無いと困ることと、増やすと長生きすることは別の問題です。
「活性化」とは何を測っているのか
日本語の解説では「活性化すると細胞が若返る」という説明を見かけます。しかし論文を読むと、「活性化」にはまったく別の三つの中身が混ざっています。
- 遺伝子の量: 設計図の写し(mRNA)がどれだけあるか。カロリー制限の人の試験で増えたのはこれです。
- たんぱく質の量: 血液や細胞の中の SIRT1 がどれだけあるか。多くの食品の試験はこれを血液で測っています。
- 酵素の働き: 印を実際に外す力がどれだけあるか。今回読んだ人の研究では、後で触れる運動の2本だけです。
三つは同じ動きをするとは限りません。健康な55〜65歳の48人を、レスベラトロール(1日500mg)とカロリー制限(1,000cal/日)に分けた30日の試験では、血清(血液の液体の部分)の SIRT1 はどちらの群でも約1ng/mL台から約5.8ng/mL に増えましたが、遺伝子の量(mRNA)は変わりませんでした。何もしない群が無いため、時間の経過や測定の影響と分けられない点も限界です。
血液の値が高いほどよいとも言えません。トルコの338人(3〜92歳)を比べた研究では、血液の SIRT1 は高齢の人のほうが高く、年齢と正の相関がありました。著者は酸化ストレスへの補いの反応かもしれないとしています。この研究は酵素の働きを測っていません。SIRT1 は主に核の中のたんぱく質なので、血液の値が臓器の細胞の中の働きをどこまで表すのかは、今回読んだ論文の範囲では確かめられませんでした。
血液の SIRT1 を測る検査を案内するコラムもありますが、この値が高い人や上がった人が長生きする、病気が少ないと示した試験は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。
食品やサプリで人のサーチュインは変わるのか
「サーチュインを活性化する」とうたわれる物で、人の試験があるものを並べます。寿命を測った試験はありません。サーチュインそのものを測っていない試験も多くあります。
| 成分 | 対象・量・期間 | 測ったサーチュイン | 結果 |
|---|---|---|---|
| レスベラトロール | 無作為試験11本のまとめ(2025年) | SIRT1 の遺伝子の量・たんぱく質の量・血清の値 | 全体ではどれも有意差なし(P=0.73、0.18、0.7)。12週未満で血液を測った試験に限ると遺伝子の量は有意に増えた |
| レスベラトロール | 太りすぎの人の無作為試験7本のまとめ(2021年) | SIRT1 など | 4本で SIRT1 が有意に増えた。著者は本当に確かめられたとは言えず、さらに研究が要るとする |
| レスベラトロール | 2型糖尿病の人。40mgか500mg、6か月(2018年) | 血液の単核球(白血球の一部)の SIRT1 | 試験の終わりに500mg の群で有意に高い |
| NMN | 健康な30人。1日250mg、12週(2022年) | 要旨に報告なし | 血液の NAD+ が増えた。NMN と偽薬は著者のうちの企業の社員が用意 |
| NR | 55〜79歳の30人(完了24人)。1日1,000mg、6週ずつ入れ替え(2018年) | 測っていない | 血液の細胞の NAD+ が約60%増えた。血圧と血管の硬さは補正後の有意差なし。企業が一部資金を提供 |
| NR | 肥満でインスリンが効きにくい男性40人。1日2,000mg、12週(2020年) | 筋肉の SIRT3 は他の値との相関だけ | 筋肉の NAD+ は変わらず、ミトコンドリアの働きも変わらない |
| クルクミン | 多嚢胞性卵巣症候群の女性72人(完了67人)、3か月(2020年) | SIRT1 の遺伝子の量 | 有意差なし |
| クルクミン | 中年の市民ランナー30人。1日2g、6週(2022年) | 血液の SIRT3 | 安静時の値が飲む前より高い。最大酸素摂取量や酸化の指標は変わらない |
| シナモン | 2型糖尿病の44人(完了39人)。1日3g、8週(2020年) | 血漿の SIRT1 | 偽薬と有意差なし(P=0.51) |
| カルダモン | 太りぎみ・肥満の2型糖尿病の83人。1日3g、10週(2019年) | 血清の SIRT1 | 比較の群より2.3ng/mL 多く増えた。HbA1c は0.4%下がった |
| PQQ(ピロロキノリンキノン) | 成人10人の短い試験(2013年)、20〜65歳の12週の試験(2023年)、水素と組み合わせた34人の6週の試験(2024年) | どれも要旨に報告なし | 炎症の指標や記憶の指標などの報告。これらの要旨ではサーチュインとの関係は示されていない |
| サートフード(サーチュインを狙う食品という考え方) | 2,918人を中央値10.6年追った観察の研究(2024年) | 測っていない | 食べる量が多い3分の1は少ない3分の1より心臓や血管の病気が少ない(危険度0.60倍)。原因とは言えない |
出典: Mansouri ら(2025)、Fraiz ら(2021)、Bo ら(2018)、Okabe ら(2022)、Martens ら(2018)、Dollerup ら(2020)、Heshmati ら(2020)、Bańkowski ら(2022)、Davari ら(2020)、Aghasi ら(2019)、Harris ら(2013)、Tamakoshi ら(2023)、Baltic ら(2024)、Golzarand ら(2024)。要旨と、Martens らは全文でも確認(2026年11月6日)。
この表から分かることは三つあります。一つ目は、一番多く試されたレスベラトロールでも、まとめた解析では全体の有意差が出ていないことです。個別の試験には増えた結果も増えない結果もあります。二つ目は、「活性化」をうたう代表の NMN で、要旨にサーチュインの値を書いた人の試験が見つからないことです。PubMed で NMN とサーチュインを要旨に含む試験を探すと8件で(2026年11月6日)、人の試験は上の1本だけでした。血液の NAD+ が増えることと、サーチュインが働くことの間を測った試験は、この探し方では見つかりませんでした。三つ目は、増えたという結果も血液の値が多く、血糖などの変化の原因が SIRT1 なのかは試験の形から言えないことです。カルダモンの著者は SIRT1 を通じた変化と書いていますが、試験の設計はそれを証明するものではありません。
食品の名前で言えば、2022年の総説は、レスベラトロール、ピセアタンノール、アントシアニジン、キニーネをサーチュインに働きかけうる成分に挙げています。ただし、PubMed で sirtfood を題名か要旨に含む論文は3件だけで(2026年11月6日)、人のものは上の観察の研究1本、残りは総説とラットの研究です。ナイアシンを含む魚や肉、豆を挙げる解説もありますが、話はもう少し複雑です。ナイアシンの一種のニコチンアミドは Sir2 の反応でできる副産物で、2002年の研究では、酵母の寿命を sir2 変異株と同じくらいまで短くし、試験管の中で人の SIRT1 の働きも抑えました。食事のナイアシンが人の体の中でサーチュインをどう変えるかを測った試験は、今回読んだ範囲では見つかりませんでした。
食品以外では運動の報告があります。運動習慣の無い中年の16人(平均59歳)が週2回の筋力トレーニングを10週続けた研究では、筋肉の NAD+ が127%、サーチュイン全体の働きが13%増えました(P=0.036)。ただし運動しない比較群はいません。太りぎみの高齢者を分けた12週の無作為試験では、週2回のサーキットトレーニングをした群で血漿の SIRT3 の働きが何もしない群より上がりました(P=0.007)。どちらも筋肉や血液の値の変化で、長生きとの関係までは調べていません。
サプリではなく薬として開発された SIRT1 活性化物質 SRT2104 の試験もあります。結果は控えめでした。
- 60〜80歳の高齢者25人(28日): コレステロールと LDL は下がりましたが、薬をやめて7日で元に戻り、糖の負荷試験の値は変わりませんでした。製薬会社の資金による探索的な試験です。
- 2型糖尿病の人(28日): 血糖とインスリンは改善しませんでした。薬の血中の量が人によって大きく違い、量に比例して増えなかったことが理由として挙げられています。
- 中等度から重度の乾癬の40人(84日): 薬を飲んだ群全体の35%で皮膚の組織によい変化がありましたが、皮膚の症状の点数とは一致しないことがありました。
- 軽度から中等度の潰瘍性大腸炎の人(8週・偽薬なし): 著者は有意な効果がなく、さらに調べる価値がないと結論しました。
サーチュインを直接ねらって開発された薬でも、この4本の範囲でははっきりした結果に届いていません。
注意
持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人は、サプリや強いカロリー制限、断食を始める前に医師に相談してください。レスベラトロールは薬との飲み合わせが報告されています。この記事は研究の紹介であり、診断や治療の代わりにはなりません。
サーチュインは増やせば増やすほどよいのか
増やせばよいとは限らないことを示す研究もあります。ハエでは、dSir2 を2〜5倍にすると寿命が長くなりましたが、それより多いと寿命が短くなり、細胞のストレスの目印が増えました。SIRT4 は、なくしたマウスのほうがアミノ酸に反応したインスリンの分泌が増え、カロリー制限の時と似た状態になります。SIRT6 は DNA の修復に関わる一方で、炎症に関わる TNF-α の分泌を進めるとも報告されています。
がんとの関係も一方向ではありません。SIRT1 を増やしたマウスではがんが少なかった報告がある一方で、2015年の総説は、がんの予防や治療ではサーチュインを活性化する場合も、抑える場合も重要になりうると書いています。「活性化すれば全身によい」とは言えず、種類・臓器・量によって話が変わります。
まだ分かっていないこと
一番大きいのは、人の寿命に対するサーチュインの役割です。人でサーチュインを増やして寿命や老化に伴う病気の減少を確かめた試験は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。遺伝子の型の研究は関連を見たもので、結果もそろっていません。
次に、測り方です。血液の SIRT1 の値が臓器の細胞の中の働きをどれだけ表すのかは確かめられませんでした。日常の検査の値として何を意味するのかも、今回読んだ論文では示されていません。多くの試験は短期間で、人数も数十人です。
SIRT6 はマウスで最も結果がはっきりしていますが、人で SIRT6 を増やす方法は確かめられていません。100歳以上に多い型の研究も、細胞の実験までです。SIRT1 は脳だけで増やしたマウスで寿命が長くなりましたが、人に当てはまるかは分かりません。
線虫とハエの論争も、ハエでは組織と量による説明が出ていますが、決着はしていません。2011年の再検証は遺伝子を操作した動物の実験全般への警告でもあり、ほかの「長寿遺伝子」の報告をどう読むかにも関わります。
NMN や NR で血液の NAD+ が増えた後、人の体の中でサーチュインの働きが変わるのかを測った試験は、今回調べた範囲では見つかりませんでした。これが分かるまでは、「NAD+ が増えた」と「サーチュインが活性化した」は分けて読む必要があります。
出典
- Characterization of five human cDNAs with homology to the yeast SIR2 gene: Sir2-like proteins (sirtuins) metabolize NAD and may have protein ADP-ribosyltransferase activity(Biochemical and Biophysical Research Communications・1999)
- Transcriptional silencing and longevity protein Sir2 is an NAD-dependent histone deacetylase(Nature・2000)
- 遺伝子と老化(公益財団法人 長寿科学振興財団・2023年更新)
- Evolutionarily conserved and nonconserved cellular localizations and functions of human SIRT proteins(Molecular Biology of the Cell・2005)
- The human Sir2 ortholog, SIRT2, is an NAD+-dependent tubulin deacetylase(Molecular Cell・2003)
- Mammalian Sir2 homolog SIRT3 regulates global mitochondrial lysine acetylation(Molecular and Cellular Biology・2007)
- SIRT4 inhibits glutamate dehydrogenase and opposes the effects of calorie restriction in pancreatic beta cells(Cell・2006)
- Sirt5 is a NAD-dependent protein lysine demalonylase and desuccinylase(Science・2011)
- Genomic instability and aging-like phenotype in the absence of mammalian SIRT6(Cell・2006)
- SIRT6 regulates TNF-α secretion through hydrolysis of long-chain fatty acyl lysine(Nature・2013)
- Mammalian Sir2 homolog SIRT7 is an activator of RNA polymerase I transcription(Genes & Development・2006)
- Mutation in the silencing gene SIR4 can delay aging in S. cerevisiae(Cell・1995)
- The SIR2/3/4 complex and SIR2 alone promote longevity in Saccharomyces cerevisiae by two different mechanisms(Genes & Development・1999)
- Requirement of NAD and SIR2 for life-span extension by calorie restriction in Saccharomyces cerevisiae(Science・2000)
- Increased dosage of a sir-2 gene extends lifespan in Caenorhabditis elegans(Nature・2001)
- Sir2 mediates longevity in the fly through a pathway related to calorie restriction(PNAS・2004)
- Absence of effects of Sir2 overexpression on lifespan in C. elegans and Drosophila(Nature・2011)
- Regulation of Caenorhabditis elegans lifespan by sir-2.1 transgenes(Nature・2011)
- dSir2 in the adult fat body, but not in muscles, regulates life span in a diet-dependent manner(Cell Reports・2012)
- Overexpression of Sir2 in the adult fat body is sufficient to extend lifespan of male and female Drosophila(Aging・2013)
- Increased expression of Drosophila Sir2 extends life span in a dose-dependent manner(Aging・2013)
- Sir2-independent life span extension by calorie restriction in yeast(PLoS Biology・2004)
- SirT1 regulates energy metabolism and response to caloric restriction in mice(PLoS One・2008)
- SIRT1 but not its increased expression is essential for lifespan extension in caloric-restricted mice(Aging Cell・2014)
- Caloric restriction delays disease onset and mortality in rhesus monkeys(Science・2009)
- Impact of caloric restriction on health and survival in rhesus monkeys from the NIA study(Nature・2012)
- Caloric restriction improves health and survival of rhesus monkeys(Nature Communications・2017)
- Calorie restriction increases muscle mitochondrial biogenesis in healthy humans(PLoS Medicine・2007)
- Glucose tolerance and skeletal muscle gene expression in response to alternate day fasting(Obesity Research・2005)
- 2 years of calorie restriction and cardiometabolic risk (CALERIE): exploratory outcomes of a multicentre, phase 2, randomised controlled trial(The Lancet Diabetes & Endocrinology・2019)
- Sirt1 improves healthy ageing and protects from metabolic syndrome-associated cancer(Nature Communications・2010)
- The sirtuin SIRT6 regulates lifespan in male mice(Nature・2012)
- Sirt1 extends life span and delays aging in mice through the regulation of Nk2 homeobox 1 in the DMH and LH(Cell Metabolism・2013)
- The SIRT1 activator SRT1720 extends lifespan and improves health of mice fed a standard diet(Cell Reports・2014)
- Restoration of energy homeostasis by SIRT6 extends healthy lifespan(Nature Communications・2021)
- 17-a-estradiol late in life extends lifespan in aging UM-HET3 male mice; nicotinamide riboside and three other drugs do not affect lifespan in either sex(Aging Cell・2021)
- SIRT6 Is Responsible for More Efficient DNA Double-Strand Break Repair in Long-Lived Species(Cell・2019)
- Sirtuin 1 (SIRT1) sequence variation is not associated with exceptional human longevity(Experimental Gerontology・2006)
- SIRT1 gene, age-related diseases, and mortality: the Leiden 85-plus study(The Journals of Gerontology Series A・2007)
- SIRT1 polymorphism, long-term survival and glucose tolerance in the general population(PLoS One・2013)
- Variability of the SIRT3 gene, human silent information regulator Sir2 homologue, and survivorship in the elderly(Experimental Gerontology・2003)
- A novel VNTR enhancer within the SIRT3 gene, a human homologue of SIR2, is associated with survival at oldest ages(Genomics・2005)
- Modulation of human longevity by SIRT3 single nucleotide polymorphisms in the prospective study "Treviso Longeva (TRELONG)"(Age・2014)
- SIRT6 polymorphism rs117385980 is associated with longevity and healthy aging in Finnish men(BMC Medical Genetics・2017)
- SIRT6 minor allele genotype is associated with >5-year decrease in lifespan in an aged cohort(PLoS One・2014)
- A rare human centenarian variant of SIRT6 enhances genome stability and interaction with Lamin A(The EMBO Journal・2022)
- A meta-analysis of genome-wide association studies identifies multiple longevity genes(Nature Communications・2019)
- An inactivating mutation in the histone deacetylase SIRT6 causes human perinatal lethality(Genes & Development・2018)
- Identification of a SIRT1 mutation in a family with type 1 diabetes(Cell Metabolism・2013)
- A remarkable age-related increase in SIRT1 protein expression against oxidative stress in elderly: SIRT1 gene variants and longevity in human(PLoS One・2015)
- Serum concentrations and gene expression of sirtuin 1 in healthy and slightly overweight subjects after caloric restriction or resveratrol supplementation: A randomized trial(International Journal of Cardiology・2017)
- Impact of Resveratrol Supplementation on Human Sirtuin 1: A Grading of Recommendations Assessment, Development and Evaluation-Assessed Systematic Review and Dose-Response Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials(Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics・2025)
- Can resveratrol modulate sirtuins in obesity and related diseases? A systematic review of randomized controlled trials(European Journal of Nutrition・2021)
- Impact of sirtuin-1 expression on H3K56 acetylation and oxidative stress: a double-blind randomized controlled trial with resveratrol supplementation(Acta Diabetologica・2018)
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- Chronic nicotinamide riboside supplementation is well-tolerated and elevates NAD+ in healthy middle-aged and older adults(Nature Communications・2018)
- Nicotinamide riboside does not alter mitochondrial respiration, content or morphology in skeletal muscle from obese and insulin-resistant men(The Journal of Physiology・2020)
- The effects of curcumin supplementation on oxidative stress, Sirtuin-1 and peroxisome proliferator activated receptor γ coactivator 1α gene expression in polycystic ovarian syndrome (PCOS) patients: A randomized placebo-controlled clinical trial(Diabetes & Metabolic Syndrome・2020)
- Effect of 6-week curcumin supplementation on aerobic capacity, antioxidant status and sirtuin 3 level in middle-aged amateur long-distance runners(Redox Report・2022)
- Effects of cinnamon supplementation on expression of systemic inflammation factors, NF-kB and Sirtuin-1 (SIRT1) in type 2 diabetes: a randomized, double blind, and controlled clinical trial(Nutrition Journal・2020)
- Beneficial effects of green cardamom on serum SIRT1, glycemic indices and triglyceride levels in patients with type 2 diabetes mellitus: a randomized double-blind placebo controlled clinical trial(Journal of the Science of Food and Agriculture・2019)
- Dietary pyrroloquinoline quinone (PQQ) alters indicators of inflammation and mitochondrial-related metabolism in human subjects(The Journal of Nutritional Biochemistry・2013)
- Pyrroloquinoline quinone disodium salt improves brain function in both younger and older adults(Food & Function・2023)
- The impact of six-week dihydrogen-pyrroloquinoline quinone supplementation on mitochondrial biomarkers, brain metabolism, and cognition in elderly individuals with mild cognitive impairment: a randomized controlled trial(The Journal of Nutrition, Health & Aging・2024)
- Sirtfood intake in relation to the 10-year risk of major adverse cardiovascular events: a population-based cohort study(Nutrition & Metabolism・2024)
- Sirtfoods: New Concept Foods, Functions, and Mechanisms(Foods・2022)
- Inhibition of silencing and accelerated aging by nicotinamide, a putative negative regulator of yeast sir2 and human SIRT1(The Journal of Biological Chemistry・2002)
- Resistance training increases muscle NAD+ and NADH concentrations as well as NAMPT protein levels and global sirtuin activity in middle-aged, overweight, untrained individuals(Aging・2020)
- Impact of Dietary Modifications on Plasma Sirtuins 1, 3 and 5 in Older Overweight Individuals Undergoing 12-Weeks of Circuit Training(Nutrients・2021)
- A pilot randomized, placebo controlled, double blind phase I trial of the novel SIRT1 activator SRT2104 in elderly volunteers(PLoS One・2012)
- A phase II, randomized, placebo-controlled, double-blind, multi-dose study of SRT2104, a SIRT1 activator, in subjects with type 2 diabetes(British Journal of Clinical Pharmacology・2014)
- A Randomized, Placebo-Controlled Study of SRT2104, a SIRT1 Activator, in Patients with Moderate to Severe Psoriasis(PLoS One・2015)
- Assessing Colonic Exposure, Safety, and Clinical Activity of SRT2104, a Novel Oral SIRT1 Activator, in Patients with Mild to Moderate Ulcerative Colitis(Inflammatory Bowel Diseases・2016)
- The multifaceted functions of sirtuins in cancer(Nature Reviews Cancer・2015)
よくある質問
サーチュイン遺伝子とは何ですか?
酵母の Sir2 という遺伝子とよく似た遺伝子の仲間で、人を含む哺乳類には SIRT1 から SIRT7 の7種類があります。作られる酵素は NAD+ という補酵素を使って、たんぱく質に付いた小さな印を外します。細胞の中の場所も働きも種類ごとに違います。ある人だけが持つ特別な遺伝子ではありません。
サーチュイン遺伝子は本当に長寿遺伝子なのですか?
呼び名は酵母・線虫・ハエで増やすと寿命が長くなったという報告から広まりましたが、確定した話ではありません。2011年の再検証では、線虫とハエの結果は遺伝的な背景をそろえると消えたと報告されました。その後、ハエでは組織や量によって長くなるという報告もあり、論争が続いています。マウスでは SIRT6 を多く作らせると寿命が長くなった報告があります。人で寿命を変えることは確かめられていません。
サーチュイン遺伝子を活性化する食品やサプリはありますか?
人で寿命が変わることを示した食品やサプリは見つかりませんでした。レスベラトロールで SIRT1 を測った無作為試験11本をまとめた2025年の解析では、全体で有意な変化はありませんでした。NMN は血液の NAD+ が増えた試験がありますが、要旨にサーチュインの値を書いた人の試験は見つかりませんでした。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は使う前に医師に相談してください。
カロリー制限でサーチュインは増えますか?
太りぎみの成人36人の6か月の試験や、1日おきの断食を22日続けた試験で、筋肉の SIRT1 の遺伝子の量が増えたという報告があります。ただし人の試験は寿命を測っておらず、SIRT1 の増加が健康の変化の理由なのかも分かっていません。動物でも、酵母やハエではカロリー制限にサーチュインが要るという報告と要らないという報告の両方があります。
血液の SIRT1 の値が高いほど長生きできますか?
そうとは言えません。トルコの338人を比べた研究では、血液の SIRT1 は高齢の人のほうが高く、著者は酸化ストレスへの補いの反応かもしれないとしています。血液の値が臓器の細胞の中の働きをどこまで表すのかは確かめられず、値が高い人が長生きすると示した試験も見つかりませんでした。