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腸内フローラ検査の比較|料金・分かること・結果までの日数

腸内フローラ検査は便の細菌の DNA を読み、菌の割合と多様性を示す検査で、病気の診断はできません。日本の主な5検査の税込価格(19,800〜38,500円)・結果までの日数・報告の項目を公式ページで比べ、信頼性と使い方の研究をまとめました。

結論

腸内フローラ検査は、自宅で採った便から細菌の DNA を読み、どの菌が全体の何%いるか(割合)と菌の多様性を示す検査です。病気を診断する検査ではなく、18か国の専門家69人による国際的な合意声明(2025年)も、今の時点で日常の診療に広く勧めるだけの根拠は足りないとしています。日本の主な自宅用キットは税込19,800円から38,500円で、結果は検体が届いてからおよそ3〜5週間で出ます。同じ便を7社に送った試験では会社ごとに結果が大きく食い違ったため、受けるなら1社に決めて同じ条件で繰り返し、自分の中での変化の傾向を見る使い方が向いています。

この記事の基準日: 2026年11月6日。検査の料金・日数・報告の項目は各社の公式ページを2026年11月5日に開いて確かめ、研究の話は原論文(Nature・Nature Metabolism・Cell・Gut・Communications Biology)と研究機関の発表、国際的な合意声明(The Lancet Gastroenterology & Hepatology)を読んで書きました。医師の監修は受けていません。

腸内フローラ検査は何を調べる検査なのか

腸内フローラ(腸の中にすむ細菌の集まり。腸内細菌叢とも言う)の検査は、便にふくまれる細菌の DNA を取り出し、次世代シーケンサー(DNA の並びを一度に大量に読む装置)で読んで、どの菌がどれだけの割合でいるかを出すものです。顕微鏡で菌を数えたり、培養したりする検査ではありません。

読み方は大きく2つあります。1つは 16S rRNA 解析(細菌がみな持っている 16S rRNA という遺伝子の一部だけを読み、菌の種類を見分ける方法)、もう1つはショットガン・メタゲノム解析(便の中の DNA を丸ごと読む方法)です。2025年に出た国際的な合意声明は、どちらも腸内細菌の構成を調べる方法として信頼できる選択肢だとしたうえで、見分けられる細かさに差があると整理しています。16S rRNA 解析は属(菌の分類で「種」の一つ上の単位)か種のレベルまで、ショットガン解析は種のレベルまでを目安にし、16S rRNA 解析では菌が持つ遺伝子の働き(どんな物質を作れるか)は分からないとしています。

もう1つ大事なのは、結果が「相対量」だという点です。検査が示すのは全体の中でその菌が何%を占めるかで、便1gあたりに何個いるかではありません。合意声明も、割合を絶対的な数と取り違えないよう百分率で示すことを勧めています。ある菌の割合が上がったように見えても、ほかの菌が減っただけという場合があります。

日本の自宅用キットの公式ページを見ると、解析方法の書き方は会社によって違います。サイキンソーは「16S次世代シーケンス法」による検査と明記しています。KEAN Health の chatFLORA G は「第三世代の解析手法」で種レベルまで判別すると説明していますが、方式の名前は書かれていません。健腸ナビは「次世代シーケンサーによる解析」とだけ書いており、フローラスキャンの公式ページとよくある質問には方式の記載が見つかりませんでした。

腸内フローラ検査で分かること・分からないこと

検査で分かるのは、主に次の4つです。

  • 菌の構成の割合(門・属など、分類の単位ごとに何%か)
  • 多様性(1人の腸に何種類の菌が、どれくらい偏りなくいるか)
  • 特定の働きを持つとされる菌のグループの割合(酪酸を作る菌、エクオール(大豆のイソフラボンから腸内細菌が作る物質)を作る菌など)
  • 同じ検査を繰り返したときの、自分の中での変化

分からないのは、病気があるかないかです。これは各社の公式ページ自身が書いています。マイキンソーの公式ストアの商品ページは「病気の診断をするものではありません」と書いています。健腸ナビのよくある質問は「病気の診断をすることはできません」とし、健康状態や病気を診断するものではないと明記しています。chatFLORA G のよくある質問は、法令にもとづく医療・診療行為ではなく、結果は統計データにもとづくもので個人の病気のリスクを予測・判断するものではないとしています。フローラスキャンのよくある質問も、病気の早期発見ではなく、食生活の見直しなど生活習慣を改めるきっかけにする検査だと答えています。

もう1つ分からないのが「健康な人の基準値」です。血液検査のように「この範囲なら正常」という幅は、腸内細菌にはまだありません。合意声明は、菌の種類ごとの割合について厳密な健康な基準範囲を示せるだけの知見は今のところないとしています(専門家の90%が同意)。同じ声明は、よく使われてきたフィルミクテス門とバクテロイデス門の比(F/B 比)を結果に載せることを勧めないとし(86%が同意)、腸内環境の乱れを1つの点数にまとめる指数も、結果に載せるだけの根拠は足りないとしています(90%が同意)。

このため、「A〜E の5段階判定」「やせ菌・肥満菌の指標」「健康長寿菌判定」のような各社独自の指標は、その会社の基準で計算した目安と考えるのが妥当です。今回見た公式ページでは、これらの指標の計算のしかたは公開されておらず、ほかの会社の点数と並べて比べることはできません。

日本で受けられる主な腸内フローラ検査の比較

公式ページを開いて価格・日数・報告の項目を確かめられた5つの検査を並べます。価格はキャンペーンで変わるため、申し込む前に公式ページでもう一度確かめてください。

検査名(提供元)価格採便と返送結果までの目安
マイキンソー(株式会社サイキンソー)19,800円(税込)。定期便 14,850円(税込かどうかの表示なし)自宅で採便し、1週間以内にポストへ投函キットが届いてから約3〜4週間
マイキンソープロ(同社。医療機関で申し込む)22,000円(税込・診察費とキット代込み・保険外。一之江駅前ひまわり医院の例)自宅で採便し、1週間以内に返送用封筒で投函医院のページに日数の記載なし(届いたら電話で連絡)
フローラスキャン(プリメディカ)19,800円(税込)。2回セット 35,640円(税込)採便後1週間以内にポストへ投函キットがラボに届いてから最大で5週間ほど
chatFLORA G(株式会社KEAN Health)定価19,800円・キャンペーン価格13,800円(税込か税別かの表示なし)。検体の不備で再提出になった時の再検査は1回目が無料、2回目以降は6,600円(税込)採便後、できるだけ翌日までに返送検体を受け取ってからおよそ3〜4週間
健腸ナビ(シンバイオシス・ソリューションズ)38,500円(税込・送料無料)採便する日の最初の便を採る検体の到着とアンケートの回答から、およそ1か月(連休などは1〜2週間遅れることがある)

出典: マイキンソー公式ページと公式ストア、一之江駅前ひまわり医院のページ、フローラスキャン公式ページ、KEAN Health 公式ページと chatFLORA のよくある質問、健腸ナビの購入ページとよくある質問(いずれも2026年11月5日に確認)。

報告の項目と、解析方法について公式ページに書かれていることは次のとおりです。

検査名主な報告の項目(公式の説明)解析方法(公式の説明)
マイキンソーやせ菌・肥満菌の指標、A〜E の5段階判定、菌の多様性、主要な菌の割合(平均値との比較)、門レベルの構成、腸内環境の推移、健康長寿菌判定、菌のリスト16S次世代シーケンス法
マイキンソープロ上の項目に加え、大腸画像おすすめ度、機能性下痢リスク、糖質系リスク、血圧系リスクプロについての記載は確かめられなかった
フローラスキャン5つの腸内フローラタイプ、善玉菌と悪玉菌の割合、日本人の平均との比較、病気との関連、管理栄養士の助言(日本人1,803名のデータベースと説明)方式の記載は見つからなかった
chatFLORA G8カテゴリ40項目(ダイエット、睡眠、便秘・下痢、アレルギー、栄養素、ビューティー・エクオール、未病・予防、メンタルヘルス)「第三世代の解析手法」で種レベルまで判別(方式の名前の記載なし)
健腸ナビ女性34・男性31の病気のリスクの傾向、おすすめの食品、乳酸菌やエクオール産生菌の割合など次世代シーケンサーによる解析(方式の名前の記載なし)

出典: 上の表と同じ公式ページ、マイキンソー法人向けページ、chatFLORA G の機能のページ、健腸ナビのトップページ(いずれも2026年11月5日に確認)。

値段の差は、報告の項目の多さ(病気のリスクの傾向をどこまで出すか)、管理栄養士の助言の有無、複数回の割引の有無から来ています。ただし「病気のリスク」の項目は、腸内細菌の構成と病気との統計上の関連をもとにした傾向で、診断ではありません。後で触れる合意声明は、検査の結果から分かる数字が病気の管理に役立つ可能性は認めつつ、臨床で使うだけの根拠はまだ足りないとしています(92%が同意)。

腸内フローラ検査は信頼できるのか

「信頼できるか」には2つの意味があります。1つは、同じ便を何度測っても同じ結果が出るか(測定としての確かさ)。もう1つは、その結果が健康の判断に役立つか(使い道としての確かさ)です。前者については、米国国立標準技術研究所(NIST)とメリーランド大学の研究者が2026年に Communications Biology に発表した試験があります。

研究者たちは、消費者向けに直接売られている腸内細菌検査7社(社名は伏せられている)のキットを3つずつ、合わせて21個注文し、よく混ぜた同じ便の試料を入れて送り返しました。7社のうち3社は 16S rRNA 解析、4社はショットガン解析でした。比べるために、同じ試料を NIST 自身でも解析し、別の7人の便も解析して「人による違い」と「会社による違い」の大きさを比べています。

結果は大きく食い違いました。全体で1,208の分類群(菌の種類のまとまり)が見つかりましたが、すべての試料で共通して見つかった属は3つだけでした(1社の1回分の外れた結果を除いても17)。共通して比べられた18の属のうち17では、会社による違いが、別の人の便どうしの違いと同じくらいか、それ以上でした。同じ会社の中でも、3回のうち1回だけ「不健康」と判定され、残り2回は「健康」と判定された例がありました。この1回は読み取れた配列の数がほかの2回の約半分で、「不明」に分類された割合が50%を超えていました。病原菌のクロストリディオイデス・ディフィシルについても、3社は「いる」、4社は「いない」と報告しています。

著者たちは、信頼性が低い主な原因は会社ごとの方法の違いで、その大きさは人による違いと同じくらいだとし、標準となる試料の利用や、読み取る量の下限などの最低限の基準を業界で決めることを提案しています。一方で、使った標準試料も「正解」そのものではないため、どの会社の結果が実際の構成に近いかは判断できないとも書いています。また、日本の検査会社がこの7社に入っているかは論文からは分かりません。

この試験から言えるのは、会社をまたいで結果を比べないこと、そして同じ会社の中でも1回の差を大きく読みすぎないことです。変化を見るなら、同じ会社・同じ採り方で何度か受け、続けて同じ向きに動いているかを見るほうが現実的です。

「腸内フローラ検査は意味がない」と言われるのはなぜか

「意味がない」という声の背景には、主に4つの理由があります。

1つ目は、医療で使う根拠がまだ足りないことです。2025年に The Lancet Gastroenterology & Hepatology に載った国際合意声明は、18か国の専門家69人が、1つずつの文に賛成の度合いを投票して作ったものです。声明は、今の時点では腸内細菌検査を日常の診療で広く使うことを勧めるだけの根拠は足りないとし(90%が同意)、医療で使える根拠が乏しいことから、医師などの勧めなしに本人が直接申し込む使い方を勧めないとしています(80.4%が同意)。

2つ目は、先に書いたとおり「健康な基準値」がないことです。基準がなければ、自分の数字が良いか悪いかを決めることもできません。各社の判定は、その会社が集めたデータの平均と比べた位置づけです。

3つ目は、結果のあとの助言についての考え方です。声明は、検査を提供する側が結果にもとづいて治療の助言をすることを勧めないとし(98%が同意)、結果をもとに診療の方針を変えるのは主治医などの医療者だけが行うべきだとしています(100%が同意)。

4つ目は、腸内フローラ自体が日によって変わることです。2014年に Nature に発表された試験では、10人ずつが動物性の食品だけ、または植物性の食品だけの食事を5日間とったところ、食べた物が大腸に届いてから1日で菌の構成に変化が見られ、動物性の食事をやめてから2日で元の構成に戻りました。動物性の食事では胆汁に強い菌(アリスティペス属、ビロフィラ属、バクテロイデス属)が増え、植物の多糖類を分解する菌が減っています。1回の検査は、その数日の食事の影響を受けた「その時の写真」に近いものです。

ただし、これは「何の役にも立たない」という意味ではありません。同じ声明は、腸内細菌が健康と病気に関わることを示す研究は増えているとし、検査を臨床に取り入れるための研究を進めるべきだとしています。各社自身も、生活習慣を見直すきっかけや、変化を追う道具として検査を位置づけています。正確に言えば「病気の判断には使えず、何にどこまで使えるかがまだ決まっていない検査」です。

腸内細菌と老化・長寿の研究で分かっていること

長寿と腸内細菌の関係では、日本の百寿者(100歳以上の人)を調べた研究がよく知られています。慶應義塾大学と理化学研究所などのチームが2021年に Nature に発表したもので、平均107歳の百寿者160人の便を、85〜89歳の人と21〜55歳の人の便と比べました。百寿者の便には、腸内細菌が作る二次胆汁酸(肝臓で作られた胆汁酸を腸内細菌が作り変えた物質)の一種、イソアロリトコール酸(isoalloLCA)が目立って多く見つかりました。

チームは百寿者の便から菌を取り出し、パラバクテロイデス・メルダエやオドリバクター科の菌がこの胆汁酸を作れることを突き止めました。試験管の中では、この胆汁酸はごく低い濃度でグラム陽性の病原菌(クロストリディオイデス・ディフィシルなど)の増殖を抑えました。無菌のマウスにオドリバクター科の菌を入れると体の中でもこの胆汁酸が作られ、ディフィシル菌に感染させたマウスでは病原菌が排除されています。ただし、これは動物と試験管での結果で、人で同じとは限りません。米ブロード研究所の発表も、百寿者の腸内細菌や胆汁酸が長生きに直接関わっているかはこの研究だけでは分からず、世界の各地でより大きく長い研究が要るとしています。

もう1つ、2021年に Nature Metabolism に発表された研究があります。3つの集団、合わせて9,000人以上の腸内細菌を調べたところ、中年の後半から、腸内細菌の構成が人ごとに「その人らしく」なっていく(ほかの人との違いが大きくなる)傾向がありました。この傾向は健康な高齢者ではっきりしていて、服薬の数や歩く速さなどで健康状態が良くないとされた人では弱いか、ほとんど見られませんでした。

同じ研究で、高齢の男性の集団(78〜98歳)を4年間追ったところ、バクテロイデス属(多くの人の腸に多い菌)の割合が高いほど亡くなる人が多い傾向があり、85歳以上の256人ではその関連がより強く出ました(ハザード比1.91、95%信頼区間1.38〜2.66。この間に亡くなったのは41人)。ハザード比は「起こりやすさ」の比で、1.91は約1.9倍の起こりやすさを意味します。ただしこれは観察した関連で、バクテロイデス属を減らせば長生きできるかは確かめられていません。著者たちも、食事についての情報が限られていたことや、薬の影響を除ききれないことを挙げています。

市販の検査には「健康長寿菌」などの項目を持つものがありますが、今回見た公式ページからは、それが上の研究で使われた指標(イソアロリトコール酸を作る菌や、人ごとの違いの大きさ)と同じものかは確かめられませんでした。

結果を受け取ったあと、何をすればよいのか

食事で腸内フローラがどう変わるかについては、人での試験があります。2021年に Cell に発表された試験では、健康な成人36人(平均51歳、女性73%)を2つに分け、10週間、発酵食品を増やす食事か、食物繊維を増やす食事をとってもらいました。

発酵食品の群は、発酵食品を1日0.4サービング(1回に食べる量の単位)から6.3サービングへと増やし、腸内細菌の多様性が期間を通して上がりました。血液の中の炎症に関わるたんぱく質も93のうち19が下がり、その中には IL-6(炎症のときに増える物質)もふくまれていました。一方、食物繊維の群は1日の食物繊維を21.5gから45.1gへ増やしましたが、群全体で見ると多様性は変わらず、便の中の酪酸もはっきりとは増えませんでした。あらかじめ決めた主な評価項目(免疫の反応の点数)は、どちらの群でも変わっていません。

この試験は1群18人と小さく、比べるための「何もしない群」がなく、対象は健康な人だけで、変化がどれだけ続くかも分かっていません。食物繊維の群でも、もともとの多様性によって反応が分かれていました。そのため「発酵食品を食べれば誰でも腸内フローラが良くなる」とまでは言えず、「10週間の試験で、発酵食品を増やした人たちに多様性の上昇が報告された」というのが分かっている範囲です。

実際に検査を使うときは、次の点を押さえておくと結果を読み違えにくくなります。

  • 検査の前に食事や薬をわざわざ変えない。合意声明は、主治医の勧めがない限り、検査の前に治療を止めたりふだんの食事を変えたりしないよう勧めています(100%が同意)。
  • 薬の影響に気をつける。健腸ナビは、抗生物質・下剤・胃腸薬(制酸剤など)を一時的に飲んでいると結果がふだんと違う可能性があるとしています。chatFLORA G は抗生物質のあと少なくとも2週間あけることを勧めています。持病の薬を自分の判断で止めないでください。
  • 2回目以降を見すえて選ぶ。変化を見るには同じ会社で複数回受ける必要があり、複数回のセットや定期便の価格(フローラスキャンは2回で35,640円・税込、マイキンソーの定期便は14,850円)も比べる材料になります。
  • 年齢の扱いを確かめる。健腸ナビは、データベースの多くが20歳以上80歳未満のため、20歳未満と80歳以上の結果は理論値になるとしています。
  • 結果について相談できる相手を確かめる。健腸ナビは、医療行為に当たる場合があるとして結果についての個別の質問には答えていません。気になる症状があるときは検査会社でなく医療機関に相談してください。

自分で腸内フローラを調べる方法はあるのか

菌の種類と割合を知るには DNA を読む必要があるため、自宅でできるのは、キットで便を採って検査会社に送るところまでです。便の見た目から菌の構成を言い当てる方法はありません。

ただし、便の硬さは腸内フローラと関係があることが分かっています。2016年に Gut に発表された研究では、健康な女性53人(20〜55歳)の便を調べ、ブリストル便形状スケール(便の硬さを7段階に分ける目安。数字が小さいほど硬い)で便がやわらかい人ほど、見つかった菌の種類が少ない傾向がありました。著者たちは、便が腸を通る時間の速さが菌の増え方に影響している可能性を挙げ、腸内細菌の研究では便の硬さを測って解析に組み込むことが極めて重要だとしています。

つまり、検査を受ける日の便の状態も結果に影響しうるということです。毎回、下痢や便秘のときを避け、ふだんの便のときに採るほうが、前回との比較がしやすくなります。

注意

腸内フローラ検査は傾向を見る検査で、診断ではありません。血便、続く下痢や便秘、体重が理由なく減るなどの症状があるときは、検査キットの結果を待たずに医療機関を受診してください。持病がある人、薬を飲んでいる人、妊娠中の人は、検査の結果をもとに食事を大きく変えたりサプリを始めたりする前に医師に相談してください。自分の判断で薬を止めないでください。

まだ分かっていないこと

  • 健康な腸内フローラの基準。菌の種類ごとの割合に、健康な人の基準範囲を決められるだけの知見はまだないと合意声明はしています。
  • 腸内フローラを変えると老化や病気の経過が変わるのか。百寿者の研究も、4年の追跡の研究も、関連を見たもので、菌を変えたら長生きするかを人で確かめた試験ではありません。
  • 日本の検査がどれだけ正確に測れているか。同じ試料を各社に送って比べた結果を、日本の検査会社について公表した資料は、今回調べた範囲では見つけられませんでした。
  • 食事による変化がどれだけ続き、健康にどう結びつくか。発酵食品で多様性が上がった試験は10週間・36人で、変化がどれだけ続くかは分かっていません。
  • 各社の独自の指標の作り方。「健康長寿菌」「やせ菌・肥満菌」「病気のリスクの傾向」がどの菌のどんな計算で出されているかは、今回見た公式ページでは公開されていませんでした。

出典

よくある質問

腸内フローラ検査の費用はいくらですか?

2026年11月5日に各社の公式ページで確かめた価格は、マイキンソーとフローラスキャンが税込19,800円、健腸ナビが税込38,500円、chatFLORA G が定価19,800円(キャンペーン価格13,800円。税込か税別かの表示なし)でした。医療機関で申し込むマイキンソープロは、一之江駅前ひまわり医院の例で診察費とキット代込みの税込22,000円(保険外)です。価格はキャンペーンで変わるため、申し込む前に公式ページで確かめてください。

腸内フローラ検査は信頼できますか?

測定のぶれは小さくありません。米国国立標準技術研究所などが同じ便を7社のキット21個に入れて送った試験(Communications Biology・2026年)では、会社による結果の違いが、別の人の便どうしの違いと同じくらいありました。同じ会社の中でも3回のうち1回だけ不健康と判定された例があります。会社をまたいで比べず、同じ会社・同じ採り方で繰り返して変化の傾向を見る使い方が向いています。

腸内フローラ検査はなぜ意味がないと言われるのですか?

主な理由は、病気の診断に使えないこと、健康な人の基準値が決まっていないこと、結果が数日の食事や便の状態で変わることです。18か国の専門家69人による国際合意声明(2025年)も、今の時点で日常の診療に広く勧めるだけの根拠は足りないとしています。一方で、腸内細菌が健康に関わることを示す研究は増えており、何にどこまで使えるかがまだ決まっていない検査と考えるのが正確です。

自分で腸内フローラを調べる方法はありますか?

菌の種類と割合を知るには便の DNA を読む必要があるため、自宅でできるのはキットで便を採って検査会社に送るところまでです。便の見た目から菌の構成は分かりません。ただし健康な女性53人の研究(Gut・2016年)では、便がやわらかい人ほど見つかる菌の種類が少ない傾向があり、ふだんの便のときに採るほうが前回と比べやすくなります。

結果が出るまでどのくらいかかりますか?

公式ページの目安は、マイキンソーがキットが届いてから約3〜4週間、chatFLORA G が検体を受け取ってからおよそ3〜4週間、フローラスキャンがラボに届いてから最大5週間ほど、健腸ナビが検体の到着とアンケートの回答からおよそ1か月です。健腸ナビは、年末年始や夏の休み、ゴールデンウィークなどは1〜2週間遅れることがあるとしています。

検査を選ぶなら

遺伝子・腸内フローラの検査を、料金・項目・日数で比べました。診断ではなく傾向を見る検査です。

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